今の法律でえん罪被害者は救えないと「再審法改正を実現する院内会議」が、昨日3月12日(月)に参議院議員会館で開かれました。保守野党含めて130人以上の超党派の議員連盟が発足、70年以上行われていない再審法の改正によって、袴田事件や狭山事件、名張毒ぶどう酒事件など冤罪により途端の苦しみを味わってこられた犠牲者を増やすまいとして、日弁連主催で開かれました。
「再審法」は、最高裁の「白鳥決定」後、「免田事件」「財田川事件」「松山事件」「島田事件」の4死刑再審で四人の死刑囚が死刑台から生還したことにより、かえって「逆流現象」が起きていました。日弁連は1962年の決議によって再審法改正運動を行ってきたそうですが。今回掲げられたのは、「えん罪被害者の早期救済のために再審法の早期改正を
」

超党派各党から国会議員が「再審法改正」の強い決意を述べられました。どなたかの発言で気になったのは、これまで改正が実現しなかった理由は、公務員としての無謬性(公務員が誤りを犯すはずがない)とメンツがあったためと。(これだけ沢山のえん罪が生まれることを許してきたことがこの2つだとしたら、あまりにも理不尽なことです)
そして日弁連再審法改正実現本部本部長代行の鴨志田祐美弁護士(京都弁護士会)から再審法改正についての簡潔な説明があり、えん罪被害者側からは「袴田事件」の袴田秀子さんが登壇されました。「こんなに嬉しいことはない。胸がいっぱい。巌はまだトンチンカンなことを言っています。私たちの時はこのようなことで苦しむのは自分たちだけだと思っていたが、今はどうでしょう。」と時々言葉に詰まりながら話されました。(あのような秀子さんを見るのは本当に珍しいことでした)
又布川事件の今は亡き櫻井昌司さんのお連れ合いの櫻井恵子さんも登壇されて「(再審法改正は)夫の悲願でした。それぞれのえん罪が話題になっても何も変わらない。そういうことでいいのだろうか?とよく話していました。」と述べられました。櫻井さんは数年前の国会証人で発言された時に、「どれだけえん罪に苦しんだら改正の法律を作ってくださるんでしょうか!」と訴えられたそうです。
集会の最後にご挨拶されたのは徳田靖之弁護士。飯塚事件や菊池事件を担当され、飯塚事件では再審請求準備中に久間三千年さんの死刑を執行されてしまい、苦渋の思いをされてきた徳田弁護士は、「この時期(の実現)を逃したら、又数十年先になることは必至です。」と危機感を持った発言をされていました。久間三千年さんの死刑執行が行われてしまってまもなく開かれたえん罪被害者の集会に登壇された時の徳田先生の胸詰まる思いは、集会参加者にひしひしと伝わりました。
再審法改正はえん罪支援者の長年の悲願でもあります。(溜)
袴田巌さんの再審が静岡地裁で始まり注目されるなか…強まる“再審制度の法改正”に向けた動き(静岡〜国会)
静岡第一テレビ 2024年3月12日