2012年07月12日

「7・13三鷹事件「再審」三者協議開始決定!証拠開示を求める集い」

7・13三鷹事件「再審」三者協議開始決定!
証拠開示を求める集い

 
日時:
2012年7月13日(金)
18:30〜20:00
(開場18:10)

会場:
日比谷図書文化館大ホール http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
    
東京都千代田区日比谷公園1−4
 
     東京メトロ 丸の内線・日比谷線・千代田線「霞ヶ関駅」
                  
C4・B2出口より徒歩約5分
     都営地下鉄 三田線「内幸町駅」
A7出口より徒歩約3分
     東京メトロ 千代田線・日比谷線「日比谷駅」
A14出口より徒歩約7分
     JR 新橋駅 日比谷口より 徒歩約12分
資料代:500円
内容:
 ●三鷹事件再審弁護団報告

 ●他の再審弁護団からの報告
 ・ゴビンダさん事件 
 ・名張ぶどう酒事件 
 ・布川事件 
 ・袴田事件 
 ・狭山事件 
 ●竹内景助氏のご遺族からのメッセージ
 
●三鷹事件犠牲者のご遺族からのメッセージ
主催:竹内景助さんは無実だ!三鷹事件再審を支援する会
    東京都三鷹市下連雀3-6-51-301
    (TEL)0422-26-8029 (Fax)0422-42-5803

http://chikyuza.net/n/archives/23980

___________________________

☆救う会のメンバーも参加、署名を集めさせていただきます。
☆事件については、故小松良郎氏(歴史研究者、救う会元副代表)
 の著書『新訂版 三鷹事件』(同時代社刊)をご参照下さい。
 救う会でも取り扱っています。

三鷹事件表紙.jpg 小松良郎先生.jpg


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2012年06月10日

東京電力女性社員殺害事件、再審開始決定

東電OL殺害、再審開始を決定
TBS
 6月7日23:10

 再審の重い扉が、ようやく開きました。15年前に東京電力の女性社員が殺害された事件。東京高裁は7日、ネパール人の元受刑者に対し、再審=裁判のやり直しを認める決定をしました。元受刑者は7日夕方、釈放され、近く国外退去となる見通しです。
 過去は変えられませんが、未来は変えることができます・・・

 「再審開始決定です」

 15年前に起きた東京電力の女性社員殺害事件で、東京高裁は7日、無期懲役の判決が確定しているネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリ元受刑者(45)について「裁判のやり直し」を認める決定を出しました。

 「こんなにうれしくて、うれしくて、本当に皆さんにありがとう、ありがとうと言いたい」(マイナリ元受刑者の妻、ラダさん)

 さらに、高裁はマイナリ元受刑者の釈放も決めました。この決定は、弁護団を通じてマイナリ元受刑者にも伝えられました。

 「(マイナリ元受刑者は)『15年間の時間は戻ってきません。今はもう、ここにいる理由はありません。一日も早くネパールに帰って病気の母に会いたいです』」(接見した弁護士)

 事件は1997年3月に起きました。東京・渋谷区にあるアパートの空き部屋で、東京電力に勤める女性社員が首を絞められて殺害されているのが見つかったのです。2か月後、強盗殺人の疑いで逮捕されたのが、この部屋のカギを預かっていたマイナリ元受刑者でした。

 一審での判決は「無罪」。検察側は目撃証言など状況証拠を積み重ねましたが、犯人につながる直接的な証拠がなく、裁判所は「犯人とするには疑問を差し挟む余地がある」として、無罪判決となりました。

 しかし、二審ではマイナリ元受刑者が現場の部屋のカギを持っていたことなどを重視。「被害者が他の第三者と一緒に部屋に入ったとは考えがたい」として、一転、無期懲役の判決を言い渡したのです。一貫して無罪を訴えてきましたが、2003年、最高裁で無期懲役が確定しました。

 「『自分の人生について裁判官は考えてくれているのか』と話していた」(弁護士、2003年)

 しかし、「新証拠」が再審開始への扉を叩くことになります。去年7月、検察側が行った鑑定で、被害者の体内に残された体液や、現場に落ちていた体毛などから、マイナリ元受刑者とは別の「第三者の男」のDNA型が検出されたのです。

 さらに、被害者の体とコートからも、この「第三者の男」と矛盾しないDNA型が検出されています。

 東京高裁は、この鑑定結果について「第三者の男が被害者と現場で性的な関係を持ったことを示すもので、男が被害者に殴打した際に出血し、コートに血が付いたと考えられる」としました。その上で、「犯人は、この第三者の男である可能性もある」と、踏み込んだ判断を示しました。

 「裁判所の迅速かつ適正、公正な判断に敬意を表したい」(弁護団の会見)

 元東京地裁裁判長の山室惠弁護士は・・・

 「えん罪。大変なことです、これは。ほぼ間違いなく再審無罪が確定すると思う」(元裁判官 山室 惠 弁護士)

 検察側はすぐ、不服として、決定に異議を申し立てるとともに、釈放を取り消すよう求めましたが、東京高裁は釈放の取り消しを認めませんでした。

 そして、7日午後5時過ぎ、マイナリ元受刑者を釈放。横浜刑務所から入国管理局の施設に移されました。帰りを待つ家族は・・・

 「長い年月、小さな部屋にいて、大変だったと思うから、ネパールに帰ったら、お父さんに良い環境で喜んでもらいたい」(長女 ミティラさん)

 ネパールの実家では・・・

 「とてもうれしいです。息子がこっちに戻ってきて会えます。何をしたか、どんなことがあったのか心配していました」(マイナリ元受刑者の母、チャンドラさん)

 マイナリ元受刑者は不法残留の罪で有罪が確定しているため、今後、ネパールへの強制退去の手続きが進められることになります。


東京電力女性社員殺害:再審決定 袴田事件も「期待」 DNA鑑定が争点、共通
毎日新聞
 静岡 2012年06月08日

 東京電力女性社員殺害事件(97年)で東京高裁が7日、再審開始を決定したことを受け、強盗殺人の無実を訴えている袴田巌死刑囚(76)の姉秀子さん(79)と弁護団の弁護士らは、いずれも「袴田死刑囚の再審に向け、明るい材料だ」と決定を歓迎した。
 西嶋勝彦弁護団長は、「検出されたDNAが第三者である以上、無実は明らかであり再審開始は当然である。検察は潔く速やかに再審公判に臨むべきだ。袴田事件でも、(証拠の衣類がDNA型鑑定で判決と矛盾し)同様の事態になっており、再審開始を目指したい」とのコメントを文書で発表した。
 姉の秀子さんも「大いに期待できる結果で、うれしい。DNA型鑑定はやっぱりすごい」と話した。
 弁護団の小川秀世事務局長は、「同じようにDNA型鑑定が出ている袴田事件にも明るい材料だ。また証拠開示で結果が変わった面があるのだから、検察や裁判所は今後証拠開示を積極的に進めるべきだ」と述べた。【平塚雄太】
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20120608ddlk22040218000c.html

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2012年06月04日

名張毒ぶどう酒事件:「試されるのは最高裁だ」東京新聞社説

名張事件・抗告 試されるのは最高裁だ
東京新聞
 社説 2012年5月31日
 
 八十六歳の死刑囚が再び、最高裁に判断を仰いだ。半世紀も前の名張毒ぶどう酒事件。再検証は容易でない。最高裁は「疑わしきは被告人の利益に」の原則に則(のっと)り、自ら速やかに判示すべきだ。
 「裁判所には罪を犯した者は逃してはならないというような気持ちが根底に強くあるのではないだろうか」。最高裁の元判事が自身の著作で、そう書いている。
 最高裁に身を置いた人ですら、日本の司法は無実の人を罰してしまうことへの恐れよりも、国の治安の安定を優先していると感じたのだろう。
 日本の裁判は有罪率が99%を超える。まして確定判決を見直し、裁判をやり直す再審の扉は重い。三審制が四審、五審となってしまうからだ。
 最高裁も古くは「無罪とすべき明らかな新証拠がない限り再審は認めない」という態度だった。だが「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則は再審でも適用されるという「白鳥決定」を出した。
 新証拠を出すのは前提だが、他の証拠と総合的に評価して、確定判決の事実認定に合理的な疑いを生じさせれば足りるとした。
 先週、奥西勝死刑囚の再審を認めなかった名古屋高裁の決定は、再審可否の審理とはいえ、毒物の科学鑑定に終始し、この肝心な刑事裁判の基本をおろそかにしたきらいなしとはいえなかった。
 事件は半世紀も前のことだ。証人や捜査関係者には亡くなった人も多く、検証不能の事柄は多々ある。当初の裁判をみても、一審と二審の判決はほぼ同じ証拠を見て無罪と死刑に分かれた。
 冤罪(えんざい)とは国家の罪である。裁判所が誤判をすれば、司法の信用は失墜し、何より被告の人格人生を粉々に打ち砕いてしまう。
 英国の有名な法格言は「十人の真犯人を逃がしても、一人の無辜(むこ)の人間を罰してはならない」と述べる。神ならぬ身の人間が冤罪を生まないために学んだ経験的な知恵である。
 それとは逆の考えが日本の司法には、なお根強いのだろうか。下級審が「上」に異を唱えにくい雰囲気でもあるのか。最高裁は今度こそ自判すべきである。
 高齢の死刑囚は拘置所の外の病院で病に苦しんでいる。もし獄中死のような結末を迎えるのなら、司法は、その役割を放棄したにも等しい。ましてや裁判員時代である。この死刑囚を裁く司法こそが今、試されているのだ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012053102000097.html

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2012年01月03日

「三鷹事件再審を支援する会」からの新春メッセージ

竹内景助さんは無実だ!
三鷹事件再審を支援する会
代表世話人 大石 進


 2013年の門出にあたり、私たち三鷹事件再審を支援する会は、無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会に、心から連帯のメッセージを送ります。
 袴田事件再審請求においては、証拠となった衣類の血痕と被害者のDNA型鑑定や2011年に開示した「自白」の録音テープの分析により、袴田巌さんの潔白を明らかにしてきました。弁護団をはじめ支援されてきた皆さまのご尽力に深く敬意を表します。
 新たに明らかにした事実が、必ずや再審の扉を開くと信じております。
 三鷹事件では、2011年11月の再審請求申立から1年で2回目の三者協議が開かれました。この三者協議の場で、検察側は、弁護団が開示請求していた未提出証拠について、1月17日の三者協議までに存在の有無を文書で回答すると約束をしました。三鷹事件再審に向けて、重要な局面を迎えたと言えます。
 もちろん予断は許しませんが、ここまで短時間で検察側が対応するに至ったのは、重い再審の扉を叩き続けた袴田事件の支援者をはじめとした多くの皆さまのご苦労があったからだと思います。
 無実の死刑囚・竹内景助さんは無念にも獄死しましたが、袴田巌さんにはなんとしても自由の身となり心身の健康を回復していただきたいと願っております。
 私たちも、竹内景助さんの雪冤を果たすことで、ご遺族の言語に絶する労苦に応えていきます。
 真実が明らかになるその日まで、共に歩み続けます。


 「三鷹事件再審を支援する会」ホームページ
  http://www.maroon.dti.ne.jp/mitaka-case/


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2011年08月11日

東電女性社員殺害:遺留物に別人のDNA 再審の可能性

東電女性社員殺害:遺留物に別人のDNA 再審の可能性
毎日新聞 2011年7月21日


 東京都渋谷区のアパートで97年、東京電力の女性社員(当時39歳)を殺害し現金を奪ったとして、強盗殺人罪に問われ無期懲役が確定したネパール人の元飲食店従業員、ゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者(44)の再審請求審で、東京高検が実施したDNA型鑑定の結果、被害者の女性の体から採取された体液の型が、殺害現場に残された別の男性の体毛の型と一致したことが分かった。マイナリ受刑者を巡っては、最高裁が03年10月、被害者が第三者と現場の部屋に行った可能性を否定した東京高裁判決を支持する決定を出して確定したが、今回の鑑定で再審開始の可能性が出てきた。
 検察側は、別の男性が犯人であることを直接示す鑑定ではないとして、有罪主張を維持するとみられる。捜査段階では女性の体から採取された体液のDNA型鑑定は行われていなかった。
 事件は直接的な証拠はなく、マイナリ受刑者は捜査段階から否認。1審東京地裁は無罪を言い渡したが、2審東京高裁で逆転有罪となった。高裁は、マイナリ受刑者が現場の部屋の鍵を持っていたことや、部屋のトイレに残っていた体液と落ちていた体毛のうち1本のDNA型がマイナリ受刑者と一致したことなどを重視。被害者が第三者と部屋に入った可能性は考えにくいとして無期懲役を言い渡し、最高裁も支持した。
 これに対し、弁護団は05年3月、現場にあったマイナリ受刑者の体液が事件当日より10日以上前のものであることを示す鑑定書が上告審で採用されなかったとして、これを「新証拠」として東京高裁に再審を請求した。高裁は今年1月、被害者に付着した体液などのDNA型鑑定実施を求め、東京高検が専門家に依頼していた。
 再審は、有罪確定者に無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見した場合などに再度、審理を開始する。1975年の最高裁決定(白鳥決定)は明らかな証拠について「新証拠と他の全証拠を総合的に評価し、事実認定に合理的な疑いを生じさせれば足りる」との判断基準を示している。
 DNA型鑑定を新証拠とした再審では、栃木県足利市で保育園女児(当時4歳)が遺体で見つかった足利事件で、無期懲役判決が確定していた菅家利和さん(64)が宇都宮地裁の再審で昨年3月に無罪になっている。【鈴木一生、山本将克】
◇東電女性社員殺害事件
 97年3月19日、東京都渋谷区のアパートの空き室で東京電力の女性社員(当時39歳)が絞殺体で発見された事件。隣のビルに住んでいたネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者(44)が強盗殺人容疑で逮捕、起訴された。弁護側は無罪を主張したが、女性の首を絞めて殺害、現金約4万円を奪ったとして無期懲役が確定した。被害者が大手企業の女性総合職の草分けだったことからプライバシーに関する報道が過熱。東京法務局が一部出版社に再発防止を求める勧告を出すなど報道のあり方も問われた。

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2010年07月31日

布川事件 無罪へ大きく近づく

布川事件、再審無罪へ 水戸地裁支部、遺留品鑑定却下
朝日新聞 2010年7月31日1時55分

再審公判後、会見で笑顔を見せる桜井昌司さん(右)と杉山卓男さん=30日夕、茨城県土浦市、細川卓撮影
 43年前に茨城県利根町布川(ふかわ)で大工の男性が殺害され、現金を奪われた「布川事件」の裁判をやり直す再審の第2回公判が30日、水戸地裁土浦支部で開かれた。強盗殺人罪で無期懲役が確定後、仮釈放された2人の元被告について、再審でも有罪と主張する検察側が、事件現場で採取された遺留品4点のDNA型鑑定を実施するよう求めていたが、神田大助裁判長は却下した。
 このため、公判は年内にも結審し、桜井昌司さん(63)と杉山卓男さん(63)の元被告2人に早期に無罪判決が言い渡される見通しになった。再審が認められるまでの審理で有罪の根拠となった証拠の価値が揺らいだうえ、再審で検察側が新たに有罪の根拠を示す証拠を提出する見通しが立たなくなったためだ。
 戦後に起きた重大事件で、死刑か無期懲役の判決が確定してから再審で無罪となるのは7、8人目となる。
 再審で検察側は、被害者の首や足首に巻かれていたパンツやタオルなどの遺留品4点に「犯人の皮膚片などが残っている可能性がある」として、DNA型鑑定の実施を請求した。弁護側は、茨城県警の捜査員による取り調べで遺留品を示された際に2人の唾液(だえき)などが付着した可能性もあると指摘。「仮に2人のDNA型が検出されても、犯行現場にいた証拠にならない」と反論していた。
 神田裁判長はこの日、「鑑定を実施する前提条件が欠ける面がある」と、却下の理由を説明した。取り調べで付着した可能性や43年間の保存状況を考慮したとみられる。
 この日の再審公判では、1967年10月に桜井さんが茨城県警取手署で捜査員の取り調べに「自白」した様子を録音したテープが法廷で初めて再生された。「ブチッ」と録音が中断する音や、重ねて録音したためか声が混じって聞こえるところもあり、録音の中断を経て「自白」の内容が変遷する様子がうかがえた。
 有罪確定までの裁判では、証人として出廷した当時の取調官も検察側もテープの存在を否定していた。2001年に始まった2回目の再審請求審で、ようやく検察側がテープを開示。弁護団が音響分析の専門家に依頼した鑑定で、編集された跡が11カ所以上見つかった。再審開始を認めた08年の東京高裁決定では「供述の一部だけを切り取っており、信用性がない。取調官による誘導があった可能性も否定できない」と指摘した。
 この日は「事件当時に現場近くで見たのは、杉山さんら2人とは違った」と証言した女性も証人として採用され、次回9月10日の公判で尋問されることが決まった。この女性の供述調書も、再審請求後に検察側から初めて開示され、再審開始の一つの根拠となっていた。(石倉徹也、中村真理)
http://www.asahi.com/national/update/0730/TKY201007300358.html


布川事件:再審、DNA鑑定実施せず 無罪の公算大に
毎日新聞 2010年7月30日20時29分(最終更新 7月30日20時54分)

第2回公判を終え会見で笑顔を見せる杉山卓男さん(左)と桜井昌司さん=土浦市内で2010年7月30日、橋口正撮影
 茨城県利根町布川(ふかわ)で67年、大工の男性(当時62歳)が殺害された「布川事件」の再審第2回公判で、水戸地裁土浦支部(神田大助裁判長)は30日、遺留品のDNA鑑定を実施しないことを決めた。検察側は有罪立証の要を失った形で、無期懲役が確定し仮釈放中の桜井昌司さん(63)と杉山卓男さん(63)は早ければ年内にも、発生44年目で事件について無罪となる見通しが強まった。
 神田裁判長は法廷で鑑定に関し「実施の前提条件を欠いている」と述べ検察側申請を却下した。検察側は「必要性がある」と異議を申し立てたが、神田裁判長はその場で退けた。
 検察側は5月、犯人の皮膚片が付着しているとして、被害者の首にまかれていた下着など4点のDNA鑑定を請求。弁護側は、取り調べの際につばが付いたりして2人のDNAが誤混入した可能性を理由に反対していた。
 鑑定については専門家も「DNA鑑定がない時代に、複数の捜査員が素手で触り汚染されている可能性が高い」(押田茂実・日本大医学部教授)と疑問視。犯人特定に結び付く実効性に乏しいことなどから、地裁支部は「前提を欠く」と判断したとみられる。
 2人は閉廷後に地裁支部近くで会見。桜井さんは「当然の判断」と地裁支部を評価する一方で「鑑定(請求)は検察の悪あがきとしか思えない」と批判。杉山さんは「大きな山を越えられた。無罪に近づいたと思う」と喜んだ。水戸地検の新倉英樹次席検事は「公判中なので証拠に関するコメントは差し控える」と話した。
 2人は強盗殺人罪などに問われ78年に無期懲役刑が確定。有罪の根拠は捜査段階の自白や目撃証言だったが、第2次再審請求で「信用できない」と否定され再審が決まった。このため検察側は新たな有罪の根拠としてDNA鑑定を求めていた。
 9月10日の第3回公判では「2人以外の人物を目撃した」と証言した近所の女性の証人尋問がある。公判は12月まで日程が決まっている。【原田啓之、吉村周平、大久保陽一】
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100731k0000m040073000c.html



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2010年07月15日

NGO共同声明:取調べの全面可視化を求める共同声明を法務大臣に送付

NGO共同声明:取調べの全面可視化を求める共同声明

私たちは、法務省が6月18日に発表した「取調べの可視化に関する省内勉強会
の中間取りまとめ」において、可視化に関する議論が後退していることに懸念
を表明します。

民主党は、2009年総選挙に際して発表したマニフェスト2009において、「消費
者・人権」と題する項目を設け、同項目の中で「取り調べの可視化で冤罪を防
止する」と明記しました。千葉景子法務大臣も、このマニフェストに沿って取
調べの全面可視化を進めていくことを表明し、法務省内に勉強会とワーキング
・グループを設置し、可視化に向けた検討を進めてきました。

しかし、2010年の通常国会では取調べ可視化法案の提出は見送られ、2010年6月
に発表された民主党のマニフェスト2010から「人権」の項目が消え、取調べの
可視化に関する記述もなくなっています。

さらに、法務省が今回発表した「取調べの可視化に関する省内勉強会の中間取
りまとめ」では、「被疑者取調べの全面的な可視化の実現を基本」として検討
を進めているとしつつも、全事件の可視化は現実的ではないとし、さらに取調
べの全過程の可視化が捜査に悪影響を与えるとの懸念を示しています。一方、
新たな捜査方法の導入についても検討したいとして、2011年6月以降に検討結果
を取りまとめるという方針を示しています。

現在の刑事司法制度では、代用監獄である警察留置場に身柄を確保した上で、
弁護人の立会いがないままの長期間にわたる取調べが常態化しています。その
結果、自白の強要による冤罪事件など、深刻な人権侵害が相次いで起こってい
ます。国際人権基準に沿った適正な捜査・取調べを実現し、人権侵害を防止す
るためには、代用監獄の廃止や取調べ時間の制限等による規制とともに、取調
べそのものを監視する体制が必要であり、取調べの全面可視化は必要不可欠で
す。後に無罪判決を受けた元死刑囚や2010年3月に再審無罪となった菅家利和
さんをはじめ、様々な冤罪事件の被害者の多くが、自白を強要されるに至った
自らの体験を語る中で、取調べの可視化を訴えています。

取調べの可視化を進めている諸外国では、違法な取調べを抑制し、虚偽の自白
を防止するだけでなく、信用性の高い証拠が作成され、裁判における正確な事
実認定に寄与する効果が見られたとの報告があります。また、国連の拷問禁止
委員会や自由権規約委員会では、繰り返し日本の刑事司法が国際人権基準に明
らかに違反していることが指摘され、取調べ段階での全過程の録画・録音およ
び弁護人の立会いを導入すべきであるとする勧告が出されています。

そもそも、法務省の勉強会およびワーキング・グループは、閣僚関係者以外は
メンバーが明らかでなく、その議事録なども公開されていません。また、同省
の調査計画では、国内の捜査経験者からのヒアリングを行うとする一方で、冤
罪被害者など実際に取調べの中で人権侵害を受けた人びとの声を聞く調査が含
まれていません。

日本政府および主要な政権党たる民主党は、取調べの可視化の議論において、
現在の刑事司法制度が多くの冤罪被害者を生み出している事実を踏まえ、被疑
者の権利保障を国際人権基準に合致させることを第一の目的とすべきです。そ
して、刑事司法の透明化を実現するために、新たな捜査手法の導入等の議論と
は無関係に、まず取調べの全面可視化に踏み切ることが早急に求められていま
す。

私たちは、日本政府に対し、取調べの全面可視化を含む、刑事司法制度の抜本
的改革のために以下の点を要請いたします。

・法務省の勉強会およびワーキング・グループに関して、そのメンバーおよび
議事録を明らかにし、検討過程を公開すること
・今後の調査、検討においては、取調べでの自白強要など、取調べ過程での人
権侵害が指摘されている冤罪事件の被害者や弁護士からもヒアリングを行うこと
・新たな捜査手法の導入等の議論と切り離し、遅くとも2011年の通常国会におい
て、取調べの全面可視化法案の成立を図ること
・取調べの全面可視化だけでなく、取調べにおける弁護人の立ち合いの実現と、
代用監獄制度の廃止に向けた検討作業を開始すること

2010年7月1日

<呼びかけ団体>
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
NPO法人監獄人権センター

<賛同団体> ※2010年7月1日現在 36団体
NPO法人青森ヒューマンライトリカバリー/アジア女性資料センター/
アジアの浅瀬と干潟を守る会/アムネスティなごや御器所140G/アースチャイ
ルド/アニム・プロジェクト/一羊会/えん罪 JR浦和電車区事件被告団(美世
志会)/えん罪・JR浦和電車区事件を支援する会/釜ヶ崎医療連絡会議/樹花
舎/国際環境NGOグリーンピース・ジャパン/憲法を守る市民の会/「婚外子」
差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会/死刑廃止国際条約の批准を求める
四国フォーラム/「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク/人権市民会議/人権
と報道・連絡会/JR東労組中央本部/生存ユニオン広島/全国一般東京ゼネラル
ユニオン/全国「精神病」者集団/戦争を許さない女たちのJR連絡会/全日本
鉄道労働組合総連合会(JR総連)/盗聴法に反対する市民連絡会/大道寺将司
くんと社会をつなぐ交流誌 キタコブシ/富山(氷見)冤罪国賠を支える会/日本
国民救援会中央本部/袴田巌さんを救う会/反差別国際運動日本委員会(IMADR-
JC)/ハンドインハンド岡山/ビデオプレス/特定非営利活動法人ヒューマンライ
ツ・ナウ/平和憲法を守る荒川の会/無実のゴビンダさんを支える会/無実の守
大助さんを支援する首都圏の会【団体名50音順】



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2010年05月01日

NHK ETV特集「裁判員へ〜元死刑囚・免田栄の旅〜」再放送

 NHK ETV特集「裁判員へ〜元死刑囚・免田栄の旅〜」
 放映日時: 5月2日(日)午後10時〜11時半
 チャンネル:NHK教育/デジタル教育1、
       デジタル教育3 、ワンセグ2

 2月に見逃された方、ぜひご覧ください。
 袴田巌さんのお姉さんの秀子さんや熊本典道元裁判官も出演しています。


〜NHKのサイトからご紹介〜

 <番組内容>
 冤罪により34年半を獄中で過ごした免田栄さん(84歳)は再審に挑む仲間や司法関係者と対話する旅を通し、裁判員制度で冤罪を無くすことはできるのかを考え続けている。
 <詳 細>
 2009年5月にスタートした裁判員制度。誰もが裁きの場にかかわる時代に、自分の体験を伝えようとする一人の元死刑囚がいる。強盗殺人の罪をきせられて死刑判決を受け、34年半を獄中で過ごした免田栄さん(84歳)である。免田さんはいま、再審に挑む仲間や司法関係者と対話する旅を続けている。免田さんに同行し、絶えることのないえん罪事件の歴史を検証しながら、えん罪をなくすことはできるのか考える。

http://www3.nhk.or.jp/hensei/program/p/20100502/001/31-2200.html

番組HP    http://www.nhk.or.jp/etv21c/index2.html


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2010年03月26日

テレビ東京で足利事件のドキュメンタリー放映

 冤罪(えんざい)で殺人犯にされた菅家利和さんを描いた
 ドキュメンターが放映されます。

「奪われた17年半〜足利事件の”罪”〜」

  テレビ東京(12ch)「ザ・ドキュメンタリー」
  3月27日(土)午後1時53分〜



posted by 袴田巌さんを救う会 at 03:18| えん罪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月08日

NHK ETV特集「裁判員へ〜元死刑囚・免田栄の旅〜」放映

NHK ETV特集 
 2月14日(日)午後10時〜11時半
  「裁判員へ〜元死刑囚・免田栄の旅〜」


袴田さんのお姉さんのひで子さんや熊本典道元裁判官も出演の予定です。
NHKのサイトからご紹介します。

「昨年5月スタートした裁判員制度。誰もが裁きの場にかかわる時代に、自分の体験を伝えようとする一人の元死刑囚がいる。強盗殺人の罪をきせられ死刑判決を受け、34年半を獄中で過ごした免田栄さん(84歳・大牟田市在住)である。今までのところ裁判員の判断は量刑判断にとどまっているが、今後、被告が無罪を訴える裁判に、裁判員が直面するケースが必ず起こる。その時、裁判員は本当に、感情に流されず、法にのみ支配された判断を下すことができるのか、免田さんには不安がある。えん罪事件がなぜ繰り返されてきたのか、なぜ、現在も続発しているのか、その検証が十分なされないままに、新しい制度が始まってしまったように思えるからである。
免田さんは、えん罪を生む構造、死刑を待つ恐怖について講演活動を続け、また獄中からえん罪を訴える人々の支援活動を行ってきた。そして去年の秋、新たな旅に出た。再審に挑む仲間を訪ねる旅であり、今も獄中から無罪を訴え続けている死刑囚を励ます旅であり、人が人を裁くことの意味を考え続けている司法関係者と対話する旅である。そして、自身の人生をたどり直す時間の旅である。
免田さんは84歳という年齢に達した今、身体の自由がきくうちに、生涯をかけることになったえん罪事件との戦いの意味を自ら再確認し、裁判員になるかもしれないすべての市民に訴えたいと考えている。 
番組では、免田さんの旅に同行し、絶えることのないえん罪事件の歴史を検証しながら、免田さん等の声に耳を澄ます。えん罪を無くすことはできるのか、裁判員制度が始まった今、私たち自身がその当事者である。」

http://www.nhk.or.jp/etv21c/index2.html

posted by 袴田巌さんを救う会 at 22:59| えん罪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月29日

布川事件、再審開始を最高裁が決定

布川事件:再審開始が確定…最高裁が検察の特別抗告棄却
    毎日新聞 2009年12月15日

 茨城県で67年、大工の男性が殺害された「布川(ふかわ)事件」で、強盗殺人罪などで無期懲役が確定して服役し、仮釈放された桜井昌司さん(62)と杉山卓男さん(63)の第2次再審請求について、最高裁第2小法廷(竹内行夫裁判長)は14日付で検察側の特別抗告を棄却する決定を出した。2人の再審開始が確定した。
 水戸地裁土浦支部は05年9月、2人の再審開始決定を出し、東京高裁も08年7月に「捜査段階の自白の信用性に重大な疑問がある」と支持した。検察側は「弁護側の新証拠は信用できない」と特別抗告していた。今後、水戸地裁か土浦支部で再審公判が開かれる。2人は窃盗や傷害などの罪も併合して有罪とされているが、確定判決の中核をなす強盗殺人罪については無罪となる公算が大きい。
 死刑か無期懲役が確定した事件の再審開始は、90年に栃木県足利市で4歳女児が殺害された「足利事件」で無期懲役が確定し、釈放後の今年6月に再審開始が確定した菅家利和さん(63)以来。
 東京高裁は、弁護側が提出した(1)被害者宅付近で目撃した男は2人と異なるとの近隣女性の証言(2)自白内容とは殺害方法が異なるとの医師の鑑定結果(3)取調官の誘導をうかがわせる取り調べの録音テープ−−などを新証拠として採用した。
 その上で確定判決の証拠(旧証拠)と総合判断し「有罪の根拠になった別の目撃証言には重大な疑問がある。『被害者の口にパンツを押し込んだ後に手で首を絞めた』との自白は鑑定結果と合わない」と指摘。新証拠を「新たに発見され(新規性)、確定判決の事実認定に合理的な疑いを抱かせる(明白性)もの」と認めた。
 小法廷は「証拠の新規性と明白性を認めて再審請求を認容すべきだとした高裁決定の判断に誤りはない」とだけ述べた。決定は裁判官4人の全員一致の意見。検察官出身の古田佑紀裁判官は「高裁決定は、新証拠と離れて旧証拠の信用性を評価しているように理解される余地があり、その説示には納得しがたい点がある」と証拠の評価方法について補足意見を述べた。【銭場裕司】
 ◇ことば・布川事件
 茨城県利根町布川(ふかわ)で67年8月、1人暮らしの大工、玉村象天(しょうてん)さん(当時62歳)が自宅で殺害され、現金約11万円が奪われた。茨城県警は約2カ月後に桜井さんと杉山さんを強盗殺人容疑で逮捕。知人同士の2人は捜査段階で自白し、公判で否認に転じたが、70年に1審・水戸地裁土浦支部で無期懲役判決を受け、78年に最高裁で確定した。約18年の服役を経て96年に仮釈放された。83年の第1次再審請求は最高裁まで争ったが、92年に退けられた。


布川事件:再審確定 無罪の叫び 重い扉を開く
    毎日新聞 2009年12月15日

 42年にわたる無実の叫びが、再審の重い扉を開いた。「布川(ふかわ)事件」の再審開始を告げる最高裁決定が届いた15日、桜井昌司さん(62)と杉山卓男さん(63)は東京都内で記者会見し、支援者への感謝の言葉を繰り返した。「自分がやっていないことはいつか分かってもらえると信じていた」。2人は喜びをかみしめながら、改めて検察、警察と裁判所への憤りをあらわにした。
 桜井さんは「まだ実感がないが、たくさんの方の力添えに感謝している。連れ合いに電話したとき、うるっとした」と喜んだ。一方、「検察は証拠を隠しておいて平然と特別抗告した。自白した我々の非を除いても、検察や警察がした不法行為はひどすぎる。再審公判では怒りたい」と声を荒らげた。
 杉山さんは笑みを浮かべつつ「本当の実感は再審無罪になってから。今は通過点」と気を引き締めた。「警察や検察が分かってくれなくても、裁判所なら分かってくれると思っていたが、(第1次再審請求を含め)6回も負けた。裁判官が一番許せない」と話した。
 同席した成城大の指宿信(いぶすきまこと)教授は「裁判員裁判が始まった09年に足利、布川事件の再審開始決定が出たのは非常に象徴的。裁判員制度は司法制度改革の一つの成果だが、誤判や冤罪(えんざい)を生まない仕組みづくりは行われなかった。課題を今後どう克服するか、問い直す必要がある」と指摘した。
 ◇桜井さん、刑事司法制度の改革を求める運動へ◇
 桜井さんは96年に千葉刑務所から仮釈放後、足利事件の菅家利和さん(63)ら冤罪を訴える被告や受刑者を慰問してきた。「同じ体験をした自分の姿を見せれば、いつか外に出られると安心するだろうから」と語る。自分の再審が終わり次第、冤罪根絶を目指し、「仲間」と一緒に刑事司法制度の改革を求める運動を起こすという。
 菅家さんに初めて会ったのは約10年前の東京拘置所。菅家さんは東京高裁で無罪を主張し争っていた。気弱そうで、事件を起こす人間には見えなかったという。その後も手紙を送り面会を重ね、「DNA再鑑定がされれば、必ず無実が証明されるから」と励ました。
 今年7月、DNA再鑑定の結果を受け釈放された菅家さんと喫茶店で会い、初めて握手した。以来、シンポジウムや冤罪を訴えるビラ配りなどで、ともに活動する。桜井さんは「菅家さんの釈放で勇気づけられた」、菅家さんは「布川事件は40年以上続く。お互い事件を起こすような人柄ではない」と話す。【原田啓之、伊藤一郎】
 ◇可視化実現の論議に拍車必至◇
 布川事件の再審請求で最高裁は、捜査段階の自白の信用性に疑問を突きつけた高裁決定を追認した。再審公判中の足利事件に続き、自白に依拠した捜査や立証の問題点が指摘されたことで、取り調べ全過程の録音・録画(可視化)実現論議が加速するのは必至だ。
 78年に2人の無期懲役を確定させた最高裁決定は「あらゆる角度から慎重に全証拠を検討した結果、2人の自白は信用できる」と判断した。約30年を経て結論が変わった決め手は、確定後に検察側が開示した証拠だ。(1)近隣女性の目撃証言(2)遺留毛髪が2人の毛髪ではないとする鑑定書(3)取り調べ録音テープ−−の新証拠3点は再審請求後に開示され、高裁は「当初の裁判で提出されていれば有罪に合理的な疑いが生じていた」と述べている。
 また、録音テープに10カ所以上の編集痕跡があるとの弁護側提出の鑑定について、高裁決定は信用性を認め、「自白は取調官の誘導をうかがわせる」と言及した。いったんは容疑を否認した2人が拘置所から警察署に身柄を移され、再び自白した経緯についても「虚偽の自白を誘発しやすい環境に置き問題がある」と批判した。足利事件でも虚偽の自白を生んだ取り調べの在り方が問題視されている。
 取り調べの可視化は、導入を公約に掲げた民主党政権で現実味を帯びるが、司法取引など新たな捜査手法とのセット論もあり、「法案化には3年前後かかる」(法務省関係者)との見方が強い。しかし布川事件の再審開始で、日本弁護士連合会など推進派の勢いは増し、早期実現につながる可能性もある。
 再審公判では、警察・検察の捜査の在り方が改めて問われる。しかし、DNA再鑑定という無罪を明確に示す証拠があった足利事件とは異なり、検察側は有罪を主張するとみられる。【銭場裕司】
 ◇2事件再審開始 裁判員に影響も◇
 再審は、有罪確定者に無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見した場合などに行われる。以前は「開かずの扉」とも言われたが、最高裁決定(白鳥決定)は75年、新証拠判断の枠組みを示した上で、「疑わしきは被告の利益に」との刑事裁判の鉄則が再審にも適用されるとした。これ以降、80年代に免田、財田川、松山、島田の死刑確定4事件で再審が行われ、いずれも無罪が確定した。
 しかし、その後は請求が退けられるケースが相次いだ。死刑か無期懲役が確定した事件の再審は、島田事件(87年開始確定)以降なく、名張毒ぶどう酒事件では05年に再審開始決定が出たものの、翌年に取り消された。
 今年は22年ぶりに足利、布川の2事件で再審開始が決まった。足利事件の再審公判は宇都宮地裁で始まっており、DNA再鑑定が菅家利和さんの無罪を裏付けているとして、検察側も争っていない。布川事件の再審は、改めて捜査機関と裁判所に十分な証拠収集と慎重な判断を求めた形。裁判員制度に影響を及ぼす可能性もある。


【布川事件】再審請求の「冬の時代」が変わる可能性も
                    産經新聞 2009.12.15

 再審は「開かずの門」「重い扉」とされてきた。しかし、刑事裁判の原則「疑わしきは被告人の利益に」が再審制度にも適用されると判断した最高裁のいわゆる「白鳥決定」(昭和50年)で門戸が広がり、財田川事件や免田事件などで、再審を経て無罪となるケースが増えた。
 だが、1980年代に再審で無罪となった島田事件や松山事件以降、この流れは途絶え、平成17年に再審開始が決定された「名張毒ぶどう酒事件」が風穴を開けたかに見えたものの、18年に取り消され、扉は再び閉ざされていた。
 今年10月、足利事件で菅家利和さん(63)の再審が宇都宮地裁で始まっており、これに続く布川事件の再審開始確定は、近年厳しい判断が続き、「冬の時代」と言われていた再審請求事件の流れを大きく変える可能性もある。
 DNA型鑑定の誤りが明らかになった足利事件では、再審公判で菅家さんに無罪判決が言い渡されることが確実となっている。
 同じ鑑定方法でDNA型が行われた飯塚事件でも、刑を執行された元死刑囚の妻が再審を請求しており、今後の判断が注目されている。


『いつかは』信念が支え 布川事件再審確定 苦しみ耐え笑顔
                  東京新聞 2009年12月16日

 逮捕から四十二年。無実を訴え続けた元被告の桜井昌司さん(62)と杉山卓男さん(63)に、再審の重い扉がようやく開いた。茨城県利根町で男性が殺害された「布川事件」で、最高裁は、東京高裁決定に続き、確定判決で有罪の決め手とされていた自白の信用性を否定した。二人は「必ず無実が証明される日が来ると思っている」と笑顔を見せる一方で、捜査当局と、かつて有罪の判断を下した裁判官について「許せない」と憤った。 
 「自分はやってないんだから、刑務所に行こうと、いつかは分かってもらえる、という信念が支えだった」
 再審開始決定を受け、桜井昌司さんと杉山卓男さんは東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、苦しみ抜いた四十年余りの思いを吐露した。
 刑務所や拘置所での生活は二十九年間に及んだ。小学五年生の息子がいる杉山さんは、決定前に「一日も早く殺人者の息子という汚名をそそぎたい」と話していた。十五日、再審開始決定が伝えられると、桜井さんは妻に電話。その時は「さすがにうるっとした」という。
 検察や有罪認定した裁判所の対応について問われると、二人の表情は一変した。
 桜井さんは「検察官は不利な証拠を隠したまま平然と特別抗告した。検察官や警察の不法行為はあまりにもひどすぎる」と非難。二人は自白した後に拘置所に身柄を移され、検事に対して否認した。ところが再び警察の留置場に戻され、自白に追い込まれた。
 杉山さんは「取り調べ段階で自白しても、公判で分かってもらえると思っていたが、裁判官は分かってくれなくて、(一次再審請求も含め)六回裁判に負けた。裁判官が一番許せない」と表情をこわばらせ、「(一九七八年の)上告棄却の時が一番悔しく、人生が終わったと思った」と振り返った。
 桜井さんは「『おまえが犯人だ。証拠がある。見た人がいる』という調べを朝から晩まで続けられ、信じてもらえないのはつらい。意志の弱い人間は、死刑や無期懲役よりも、目の前の苦しさから逃げたいと思ってしまう」と自白に至る心理状況を説明した。
 桜井さんは仮釈放後、腕時計をすると、全身を締め付けられる感覚に襲われるようになったという。「無実になったら腕時計ができるかな」と笑った。
新証拠140点以上 毛髪鑑定2人と不一致 『自白』テープ重ねどり跡
 布川事件で弁護側がこれまでに提出した新証拠は、百四十三点。二人の自白の信用性が否定されたのは、第二次再審請求段階になって検察側が開示した、近隣女性の目撃証言や毛髪の鑑定結果などを弁護側が提出できたことが決め手となった。
 最初の裁判の段階で証拠として裁判所に提出されていれば、別の判断が出された可能性が強く、被告の防御権という点で、大きな課題を露呈した。
 確定審で二人の自白の信用性を支えた根拠の一つが、事件の日、バイクで被害者宅を通りすがった際、二人の男の姿を見たという男性の目撃証言だった。
 弁護側は、同じ日に被害者宅の近くを自転車で通りかかった近隣女性の目撃証言を新証拠として提出。女性は杉山さんと顔見知りで、「二人の男性の姿を見たが、杉山さんとは分からなかった」と証言していた。
 昨年の高裁決定は「女性の証言は信用でき、男性の証言には疑問がある」と判断した。
 現場に残された毛髪の鑑定書も再審請求の段階になって検察側が開示した。被害者の近くで見つかった毛髪八本の中に、二人の毛髪は一本もなかった。
 弁護側が新証拠として提出した、桜井さんの自白が録音された取り調べテープの鑑定では、不自然な「重ねどり」の痕跡が明らかになった。高裁は、録音の中断などが認められるとして、「取調官の誘導をうかがわせる」と指摘していた。


布川事件再審決定 寄り添う妻の思いは
                  朝日新聞 2009年12月17日

 42年前に利根町布川で起きた強盗殺人事件の再審開始決定で、桜井昌司さん(62)、杉山卓男さん(63)の無実は濃厚になった。ただ、42年続けた無実の主張と、それが聞き入れられなかった苦悩は、2人の心に深く傷を残した。仮釈放から13年。桜井さんの妻恵子さん(57)にとって、夫が傷を癒やす過程はあまりに長かった。(中村真理)
 「苦しい。心と体がバラバラになる」。2000年1月の深夜、夫は突然叫ぶと、起き上がって、水戸市のマンション4階にある部屋の窓に手をかけた。
 「だめだ、飛び降りてしまう。つかまえていて」。錯乱する夫に言われるがまま、恵子さんは必死にしがみついて止めた。
 明け方になり、落ち着きを取り戻した夫がつぶやいた。「おれ、無理してきたのかな」。無実を訴えながらも、「うその自白」をさせられ、強盗殺人罪で29年間、獄中にいた。仮釈放から2年以上たったころ、夫は「体を締め付けられる感覚が時折現れる」とうなされていた。
恵子さんは前夫との離婚後、知人に誘われて、冤罪事件の再審請求などを支援する活動に参加した。そこで、仮釈放で社会に出てきた桜井さんと出会った。「おれは裏も表もない。すべてさらけ出す方が楽だよ」。桜井さんの言葉に、一人で娘と息子を育てながら「弱みを見せてはいけない」と強がっていた心が、癒やされるように感じた。
1999年7月、結婚した。獄中から書きためた歌を披露するコンサートや、再審請求に向けた準備などを手伝った。
 それでも、夫は「期待してはいけない、意識してはいけないと心を押し込めても、どんどんと期待が膨らんでしまう」とつぶやいた。自分を抑えることだけを考えてきた獄中生活と、釈放されたギャップによる葛藤(かっ・とう)。これが、夫の言う「心と体がバラバラになる」という心境だった。
 結婚する条件の一つに挙げられたのが、「おれを非難しないでくれ」。桜井さんに寄り添う中で、その意味が、信じてもらえない不安そのものだと分かってきた。
 07年5月、夫が支援団体の広報紙に初めて抱えてきたつらさを告白した。恵子さんは「やっていないものをやったと言わされ、裁判官にも信じてもらえなかった。理不尽な扱いを受け、傷つけられた苦しさは、深いところに残っている。人まで変えてしまうのが冤罪と知った」。
 腕時計をすると、手錠の冷たさと重さがよみがえり、呼吸困難になる夫。閉じ込められている感覚が怖くて、飛行機にも乗れない夫。そんな症状に改善の兆しがみえたのは、水戸地裁土浦支部での再審開始決定(05年9月)以降だったという。夫は自分の変化について「犯人にされた経験を少しずつ背中からおろせるようになってきたのかもしれない」と話した。
 「最近は柔軟になって、人の話も聞くようになったかな」と恵子さんはほほえむ。大なり小なり発作も繰り返しながら、少しずつ「普通の人」になっていくのだと思っている。
 この事件で特に問題なのは、検察の対応である。新たな目撃証言など再審開始の決め手となった証拠の多くは、今回の再審請求で検察が初めて出したものだった。
 2人を有罪にするため、公判で不利になる証拠は開示しなかった検察の姿勢が透けて見える。
 取り調べを録音したテープも新証拠の一つだった。これについても、高裁は「編集痕が認められる」と認定した。警察や検察にとって都合が悪い部分を消去したということはなかったのだろうか。
 証拠を一手に握っているのは検察側だ。証拠を意図的に出さなかったり、テープを改ざんしたりしては、公正な裁判は望めない。
 迅速な審理のため、証拠数を事前に絞り込む裁判員裁判では、なおのこと、検察の恣意(しい)的な証拠開示は誤判を招きやすい。そのことを忘れてはならない。


布川再審決定―可視化は全面でなければ
                 朝日新聞 2009年12月17日付

 足利事件の再審裁判が始まった記憶もさめないうちに、またも再審が決まった。茨城県で42年前に起きた強盗殺人事件で、無期懲役の刑が確定していた桜井昌司さんと杉山卓男さんに対する裁判のやり直しが、最高裁で確定した。無罪の公算が大きい。
 この「布川(ふかわ)事件」で、2人は別件の盗みなどの疑いで逮捕された後、殺害を「自白」した。その後、否認に転じたが、再び「自白」して起訴された。
 公判では無罪を主張した。物証はなく、あいまいな目撃証言ぐらいだったが、一、二審、最高裁とも「自白」を信用して有罪とした。今回、その判断が覆されたのである。
 足利事件をはじめ、これまでの冤罪史に通底する「自白」の強要と偏重がここにも見られる。密室の取調室で容疑者にうその「自白」を強いる捜査官と、法廷で客観的証拠が乏しくても自白を過信する裁判官という構図だ。
 この構図は過去の話ではない。2002年に富山県で起きた強姦(ごうかん)事件では、うその「自白」を強いられて服役した男性が再審で無罪となった。03年の鹿児島県議選をめぐる買収事件では、事件自体がでっちあげられた可能性が強いのに、被告が次々と「自白」に追い込まれたことがわかり、さすがに一審で全員が無罪となった。
 うその「自白」の強要を防ぐためには、取り調べの様子を一部始終、録画する「可視化」の導入が必要だ。布川事件では2人の供述を録音したテープがあったが、「変遷する供述の全過程ではなく一時点にすぎず、信用性を強めない」と再審請求審は判断した。
 現在、警察や検察が始めている一部録画では、冤罪を防ぐ方策として、とても十分とはいえないことを改めて示している。
 鳩山政権は全面可視化の実施を公約に掲げている。もはやためらうべき理由はない。年明けの国会には可視化法案を提出し、成立させるべきだ。
 布川事件が再審となったのは、弁護側の請求で検察が新証拠を出してきたことが大きい。犯人らしい2人の男性を目撃していた女性が「容姿や服装は杉山さんらとは違っていた」と警察に供述していた調書や、遺体のそばで見つかった毛髪が2人の毛髪と似ていなかったという鑑定書などである。
 弁護人には、被告に有利な証拠を提出するように検察に求めていく役割がある。事件現場や関連する場所で物証を押収し目撃者を捜す捜査当局が、証拠を一手に握っているからだ。
 たとえ捜査側に不利な証拠であっても、検察はすべて法廷に出すべきである。特に今年から始まった裁判員裁判では、短期間の集中審理で結論を出す。裁判官だけでなく、国民の代表である裁判員に判断を誤らせるようなことがあってはならない。

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2009年10月17日

毎日新聞、死刑とえん罪についての連載

「正義のかたち:重い選択・日米の現場から」

                        毎日新聞


 1(その1)難しい「自白」の判断 10月11日
  ◇「再審無罪」の裁判長「ミスジャッジある」
  ことば ◇松山事件
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091011ddm001040071000c.html

 1(その2止)「人生を狂わせた」 10月11日
  ◇1審「誤判」裁判官、裁判員の「死刑」を懸念
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091011ddm041040091000c.html

 2 死刑判決12件、米国の判事 10月12日
  ◇米陪審制と死刑
  ことば ◇米陪審制と死刑
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091012ddm041040079000c.html

 3 無期囚と文通する被害者長女 10月14日
  ◇「償い」知り仮釈放願う
  ことば ◇北九州通り魔強盗殺人事件
http://mainichi.jp/select/world/news/20091014ddm041040097000c.html

 4 目撃者一転「証言はウソ」 10月15日
  ◇執行前には戻れない
  ことば ◇飯塚事件
http://mainichi.jp/select/world/news/20091015ddm041040072000c.html



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2009年08月09日

足利事件、菅谷さん関係の報道

足利事件の報道について、多忙のため、リアルタイムで書き込めませんでした。申し訳ありません。あらためて掲載させていただきます。


逮捕から17年「謝って」 足利事件の菅家さん釈放
                   朝日新聞 2009年6月5日

支援者らに手を振りながら千葉刑務所を出る菅家利和さん=4日午後、千葉市若葉区、川村直子撮影
 90年に栃木県足利市で女児が殺害された事件で00年に無期懲役が確定し、千葉刑務所で服役していた菅家利和(すがや・としかず)さん(62)が4日午後、釈放された。菅家さんが「犯人」とされた最大の根拠はDNA型鑑定だったが、菅家さんの再審請求に基づく再鑑定で、女児の肌着に残った体液の型と菅家さんの型が「一致しない」とする結果が出たことを受け、検察側が刑の執行を停止した。
 法務省によると、再審請求中の受刑者について刑の執行が停止されるのは初めて。
 再鑑定は、再審請求の即時抗告審を行う東京高裁が昨年12月に実施を決定。検察側、弁護側がそれぞれ推薦する鑑定人が鑑定し、5月、いずれも「一致しない」との結果が高裁に報告された。これを受けて東京高検は4日、「肌着から抽出されたDNAが、真犯人の体液によるものだった可能性が否定できない」として、菅家さんの無罪を事実上認める意見書を高裁に提出。高裁は、検察側、弁護側双方の意見書の内容を踏まえ、再鑑定結果が「無罪を言い渡すべき明らかな証拠の新たな発見にあたる」として再審開始を決定するとみられる。
 91年12月の逮捕・勾留(こうりゅう)以来17年半にわたって身柄を拘束されていた菅家さんは、釈放後、千葉市内のホテルで記者会見した。「真犯人にされ、ずっと我慢してきたが、間違ったではすまない。当時の警察官、検察官を絶対に許さない。私と亡くなった両親、世間の皆様に絶対に謝ってほしい」と話した。
 菅家さんの公判では、一審・宇都宮地裁判決(93年)、二審・東京高裁判決(96年)とも無期懲役とした。弁護側は上告中の97年、独自に依頼した鑑定でDNA型が異なる結果が出たとして最高裁に再鑑定を請求。しかし最高裁は00年、捜査段階の91年に行われた鑑定の「一致する」との結果を裁判の証拠として認める判断を示し、上告を棄却した。02年に始まった再審請求審でも、宇都宮地裁は再鑑定を実施せずに08年に請求を棄却していた。
 再審開始が決定すると、一審の宇都宮地裁で再審が開かれる。検察側は有罪を裏付ける証拠がないとする意見を述べるとみられ、その場合、裁判所が無罪を言い渡す公算が大きい。弁護側は、再審で無罪が確定した場合、刑事補償法に基づく補償を国に求めていくとしている。
    ◇
〈おことわり〉これまで「菅家利和受刑者」と表記してきましたが、刑の執行停止や釈放などを受け、今後は「菅家利和さん」と改めます。


足利事件、23日再審決定へ 「裁判官忌避」で延期も               共同通信 2009/06/21

 足利事件で、無期懲役が確定し、その後釈放された菅家利和さん(62)の再審請求即時抗告審で、東京高裁(矢村宏裁判長)は23日に再審開始の可否を決定する。菅家さんと女児の下着に付着した体液のDNA型が一致しなかった再鑑定結果から、再審開始を認める見通し。
 弁護側は「冤罪の真相解明が必要」として、捜査段階でDNA鑑定した警察庁科学警察研究所技官(当時)ら計11人を即時抗告審で証人尋問するよう要求。高裁が応じないため、矢村裁判長らの交代を求める忌避申し立てで対抗する構えだ。その場合、決定期日が延びる可能性もある。
 検察側は今月4日、推薦鑑定人による再鑑定結果が「無罪を言い渡すべき証拠に当たる」とする意見書を高裁に提出。菅家さんの刑の執行を停止し釈放した。宇都宮地裁で再審裁判が始まれば有罪立証しない方針で、再審無罪は確実だ。
 菅家さん釈放後の10日、最高検は異例の謝罪表明。17日には初めて里帰りした菅家さんに、栃木県警本部長が直接謝罪した。
 確定判決では、菅家さんが1990年5月、栃木県足利市のパチンコ店から女児を近くの河川敷に誘い出し絞殺した、とされている。
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足利事件(2009年6月23日)1990年5月、栃木県足利市のパチンコ店で保育園女児=当時(4)=が行方不明になり、近くの河川敷で遺体で見つかった。県警は91年12月、菅家利和(すがや・としかず)さん(62)を逮捕。菅家さんは一審公判中に無罪を主張し、自白やDNA鑑定の信用性が争点となった。最高裁は2000年、一、二審に続きDNA鑑定の証拠能力を認め、無期懲役が確定。再審請求は宇都宮地裁が08年に棄却したが、東京高裁の即時抗告審でDNA再鑑定が実施され、東京高検は今年6月4日、再審開始容認の意見書を高裁に提出し菅家さんを釈放。...


国家公安委員長は謝罪せず 足利事件の菅家さんに                 北海道新聞 06/22

 政府は22日の閣議で、足利事件で再審請求中の菅家利和さんについて「栃木県警本部長が謝罪の意を適切に伝えており(佐藤勉)国家公安委員長が面接の上、謝罪することは考えていない」とする答弁書を決定した。鈴木宗男衆院議員の質問主意書に対する答弁。



高裁、忌避申し立てを却下−23日に再審可否決定−足利事件
                    時事通信 2009/06/22

 足利事件の再審請求即時抗告審で、刑の執行停止により釈放された菅家利和さん(62)は22日夕、弁護団とともに東京都内で記者会見し、「簡単に無罪にされても納得いかない。真っ白な無罪がほしい」と話し、改めて再審請求審での真相究明を訴えた。
 東京高裁(矢村宏裁判長)は23日午前、再審請求に対する決定を出す。検察側が再審を容認する姿勢を示していることから、高裁は再審開始を認めるとみられる。
 一方、弁護団は22日、再審請求審で、無期懲役の確定判決に至った事実調べが行われていないとして、矢村裁判長らの忌避を申し立てたが、同裁判長は訴訟遅延行為に当たるとして却下した。
 弁護団は23日の決定前、高裁に異議申し立てをする方針だが、申し立てには決定を延期する効力はない。
 菅家さんは会見で悲痛な表情を浮かべ、「(逮捕以降の)17年半を、たった数カ月で再審無罪にされたくない。裁判官はよく審理してほしい」と強調。犯行の「自白」に至った経緯などについても検証を求め、「(検証をしない)灰色無罪ではなく、真っ白な無罪を勝ち取りたい」と語った。


笑顔なき再審決定 菅家さん『少し晴れたが…』           東京新聞 2009年6月23日 夕刊

 「少しは肩の荷が下りた気がするが、捜査の問題点が明らかにならなかったのは納得ができない」。逮捕から十七年半。無期懲役が確定した菅家利和さん(62)の裁判がやり直されることが二十三日、東京高裁で正式に決まった。冤罪(えんざい)の原因究明を求めていた弁護団や支援者にはじけるような笑顔はない。「裁判官も謝罪してほしい」と語った菅家さん。うれしさ半分の複雑な胸中をのぞかせた。 「気持ちは少し晴れたが、晴れないところもあります」。再審開始決定を受け、弁護団と記者会見した菅家さんは、終始、うつむいたまま、消え入りそうな声で語った。
 菅家さんらが求めていたのは、「無罪」という結論だけではなく、警察庁科学警察研究所(科警研)鑑定の誤りなど、捜査の問題点を明らかにすることだった。決定では、それらの問題点については何も触れられなかった。
 菅家さんは「科警研の鑑定が間違っていたのに、触れていないのは全く納得できない」と話した。さらに「一審の裁判官をはじめ、(再審開始決定をした)矢村宏裁判長にも謝っていただきたい」と語気を強めた。
 同席した佐藤博史弁護士は「自白の信用性に疑問を呈したが、臭い物にふたをしたという評価は変わりない」と切り捨てた。
◆生活再生へ補償や支援
 再審で無罪が確定すると、菅家さんは刑事補償を請求できる。拘束期間に応じて、裁判所が一日当たり、千円以上一万二千五百円以下の範囲で額を決める。十七年半拘束されたため、一日一万円とすれば六千万円強が支払われることになる。
 これとは別に、不当な取り調べを受けたとして国などに国家賠償法に基づく損害賠償を請求することも可能だ。弁護団は菅家さんのため募金しており、裁判活動などを支える資金に充てる。
 自宅のあった足利市での居住を希望する菅家さんに対し、同市は市営住宅の入居を打診。逮捕前、幼稚園の送迎バスの運転手だったことから、大豆生田実(おおまみうだみのる)足利市長は、小学校のスクールバスの運転手に採用することを提案している。
 運転免許証(二〇〇四年失効)の再発行手続きを進めるとともに、身を寄せている横浜市内の佐藤博史弁護士宅に近い自動車教習所に通って運転感覚を取り戻す計画もある。
◆冤罪の原因 自白重視+鑑定盲信
 冤罪(えんざい)を生み出す原因は何か。元刑事裁判官の安原浩弁護士は、自白の信用性を安易に認める裁判官の体質と鑑定への盲信だという。「鑑定内容を十分吟味せず、自白があるから間違いないと思い込み、また鑑定があるから自白は間違いないと考えてしまう連鎖がある」
 足利事件の場合、DNA型鑑定の結果と菅家さんの自白が冤罪を生み出す「両輪」となった。一審の弁護人もその渦に巻き込まれ、否認に転じた菅家さんに、再び認める上申書を書かせた。
 「自白した以上、説明できなければ」と考えた菅家さんは、自ら架空のストーリーを作り上げた。実況見分の際に殺害現場を指し示せないなど矛盾は多かったが、「DNA神話」は自白と整合しない証拠や目撃証言を封じる結果となった。
 「供述は具体的で体験した者としての真実味がある」。一、二審判決とも自白の信用性を認めた。プロの裁判官は虚偽自白を見抜けなかった。
 弁護側は控訴審で、女児が連れ去られた時間帯に裁判所が検証するよう申し入れたが実現しなかった。「夜、この場に立てば、菅家さんの自白があり得ないことは明らかだったのに」。佐藤博史弁護士は先月十六日の現地調査の現場で語った。
 自白では、殺害現場から裸にして運んでいるが、野バラが群生し、背丈より高いアシが生い茂るのに遺体には傷がない。日が暮れて、懐中電灯もないまま女児を抱えて移動することができるのか。現場に立ちさえすれば、いくつもの疑問がわく。裁判所はその機会を生かそうとせず誤判を重ねた。
 十七年半ぶりに釈放された菅家さんの再審開始決定は、裁判員制度の本格実施を前に、取り調べの全面録音・録画の実現の可能性を広げ、刑事司法や捜査のあり方へ変革を迫っている。(瀬口晴義)


足利事件 再審が決定 菅家さん無罪確定へ
                東京新聞 2009年6月23日 夕刊

 栃木県足利市で一九九〇年、四歳の女児が殺害された「足利事件」で、無期懲役が確定し、十七年半ぶりに釈放された菅家利和さん(62)が裁判のやり直しを求めた再審請求の即時抗告審で、東京高裁(矢村宏裁判長)は二十三日、「菅家さんが犯人ではない可能性が高い」と再審開始を決定した。近く、一審の宇都宮地裁で再審公判が開かれるが、検察側は有罪立証をせず、菅家さんに無罪判決が言い渡される。
 無期懲役以上が確定した事件で、再審無罪になれば、八九年一月の静岡県の「島田事件」以来になる。
 矢村裁判長は決定で、検察側が推薦した大阪医科大の鈴木広一教授による再鑑定結果について「菅家さんと女児の下着に付着した体液のDNA型が一致しないことが認められる。菅家さんが犯人であると認めるには、合理的な疑いが生じている」と述べた。
 捜査段階の自白にも「有罪とされた一つの根拠であるが、再鑑定の結果は、自白の信用性に疑問を抱かせるのに十分な事実といえる」と指摘した。
 弁護側が推薦した筑波大の本田克也教授による再鑑定に関し、検察側が「信用性に欠ける」とする意見書を出したが、決定は「鈴木鑑定のみで菅家さんのDNA型と一致しないことが認められる。本田鑑定の信用性を判断するまでもない」と触れなかった。
 弁護側は、捜査段階の鑑定が誤っていたことや虚偽の自白の経緯を明らかにするため、鑑定を担当した警察庁科学警察研究所の技官らの証人尋問を求めたが、矢村裁判長は採用しなかった。
 足利事件は二〇〇〇年七月、最高裁が初めて、DNA型鑑定の証拠価値を認め、菅家さんを無期懲役とした一、二審判決が確定。再審請求について東京高裁が再鑑定の実施を決め、今年五月、検察、弁護側が推薦した法医学者二人は、DNA型を不一致とする再鑑定書を提出した。
 検察側は今月四日、再鑑定結果が「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に該当する」とする意見書を東京高裁に提出し、再審開始決定前の異例の釈放に踏み切った。
◆裁判所は誤判の検証を
 <解説> 東京高裁が菅家利和さんの再審開始を決めたのは、DNA型鑑定に寄り掛かり、虚偽の自白を見抜けなかった捜査機関と裁判所の「敗北宣言」でもある。
 再審開始は、提出された証拠の「新規性」と「明白性」が要件とされる。最高裁の「白鳥決定」(一九七五年)は「新しい証拠が確定判決の事実認定に合理的な疑いを生じさせれば足りる」とした。
 東京高裁の決定は、菅家さんと女児の下着に付着したDNA型を不一致とした再鑑定を「無罪を言い渡すべき証拠を新たに発見したときに該当する」と説明。再審開始は、当然の帰結といえよう。
 検察側は最高検次長検事が菅家さんに謝罪したが、再審決定前の異例の対応について、検察幹部は「裁判員裁判が始まる時期に、検察が追い込まれてから謝罪したと思われるのは避けたかった」と裁判員制度の影響を認める。
 プロの裁判官でも誤判をする。事実認定の判断に不安を感じている裁判員や、裁判員候補者に足利事件の教訓をどう伝えるのか。裁判員裁判を実り多いものにするためにも、高裁の即時抗告審で誤判の原因を探るべきだったのではないか。
 宇都宮地裁で始まる再審では、検察は無罪論告する見通しで、弁護団は実質審理は行われないと危惧(きぐ)している。同地裁が誤判の責任を感じているなら、捜査機関の検証に委ねるのではなく、自らの再審公判の中で検証すべきだ。
 (社会部・荒井六貴)
写真: 足利事件の再審開始が決定し、記者会見する菅家利和さん=23日午前、東京・霞が関の司法記者クラブで(佐藤哲紀撮影)


足利事件再審決定の要旨                             2009年6月23日 読売新聞

 足利事件で23日、東京高裁が出した再審開始決定の要旨は次の通り。
 【主文】
 再審を開始する。菅家さんの刑の執行を停止する。
 【理由】
 ▽有罪認定の根拠
 1、2審判決が菅家さんを犯人であると認定した根拠は、〈1〉犯行現場付近に遺留されていた被害者の半袖下着に付着した犯人のものと思われる精液と、菅家さんの精液のDNA型が一致した〈2〉菅家さんの1審の公判廷と捜査段階における自白供述が信用できる――ということである。
 ▽1、2審で認定されたDNA鑑定に関する事実
 科学警察研究所の技官らが、菅家さんの精液と、半袖下着に付着していた精液のMCT118部位におけるDNA型を、123マーカーを用いて判定した結果、16―26型で一致した。両者の血液型も一致し、このようにDNA型と血液型が一致する出現頻度は1000人中1・2人程度だった。
 2審において、123マーカーを用いた型判定では、型番号がMCT118部位における塩基配列の反復回数をダイレクトに示すものではないことが判明したが、その後、使用されるようになったアレリックマーカーを用いた型番号と123マーカーを用いた型番号とは相互に対応しており、DNA鑑定の信頼性は失われていないと判断された。
 ▽再審請求で提出された新証拠
 再審請求で提出されたDNA鑑定に関する新証拠は、菅家さんの毛髪のアレリックマーカーを使用したMCT118部位のDNA型が18―29型で、123マーカーによる16―26型に通常対応する18―30型ではないというものなどである。
 当裁判所は、これら新証拠の内容、今回の事件の証拠構造におけるDNA鑑定の重要性、DNA鑑定に関する著しい技術の進展の状況などにかんがみ、弁護人が申し立てたDNAの再鑑定を行う旨決定し、2人の鑑定人を選任した。
 ▽再鑑定の結果
 2つの鑑定では、二分した半袖下着から抽出された男性DNAが、いずれもY染色体の6STRの型が一致し、同一人のものと推定される。それは、菅家さんとは異なるDNAだった。
 検察官は、1つの鑑定の信用性を争うものの、もう一方の鑑定については信用性を争わない。検察官が信用性を争わない鑑定だけでも、菅家さんのDNAと、半袖下着の男性DNAの型は一致せず、男性DNAは精液の付着が確認されているところに近い部分から抽出されていること、精液の付着が確認されていない部位からはDNAが抽出されていないことなどから、男性DNAが犯人のものと思われる遺留精液から抽出された可能性が高く、菅家さんの型と一致しないことが認められる。そうすると、菅家さんは犯人ではない可能性が高いことになる。
 このことは、確定判決で有罪とされた根拠である自白の信用性にも疑問を抱かせる十分な事実といえる。ほかに菅家さんが犯人だと認めるに足る証拠はなく、犯人と認めるには合理的な疑いが生じている。
 ▽結論
 この再審請求は、無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見したときに該当する。


支援者に笑顔なく 足利事件再審決定 
捜査や鑑定の検証実現せず 節目の日にも悔しさ
                       東京新聞 2009年6月24日

 待ち焦がれたはずの「再審決定」の日。だが、そこに笑顔はなかった。足利事件で無期懲役が確定した菅家利和さん(62)に東京高裁は二十三日、再審開始を決定した。だが、無罪確定に向け大きく前進した節目にも、求めていた当時の捜査や鑑定の検証は実現せず、支援者にも悔しさがにじんだ。 (横井武昭、梅村武史、松尾博史)
 「早期幕引き 再審開始」「誤判の解明拒否」。二十三日午前十時、東京高裁前で弁護団が垂れ幕を掲げると、支援者からため息がもれた。「冤罪(えんざい)の原因究明をしなければならないのに決定は何ら立ち入らなかった。宇都宮地裁を究明の場にする」。ハンドマイクから弁護団の厳しい声が響く。
 その気勢とは裏腹に、会見場には重い空気が立ち込めた。「再審決定はうれしい。でも、まだ気分が晴れません」。詰めかけた報道陣の前で、菅家さんがポツリポツリと、消え入りそうな声で語る。
 釈放後は、警察庁科学警察研究所(科警研)による当時の鑑定の検証を強く求めてきた。同様の冤罪を防ぐためにも、それが、自分が失った十七年半の時間への答えになると思っていた。だが、高裁は判断を示さないままスピード審理を終えた。「科警研は間違っている。どうしてやってくれないのか」。うつむき、一点を見つめたまま、唇をかみしめた。「警察も謝った。無期懲役にした裁判官にも謝ってほしい」
 その様子を見守った「菅家さんを支える会・栃木」代表の西巻糸子さん(59)は「再審を長年目指してきたので一応の区切りはついた」と安堵(あんど)しながらも「どうして逮捕され、刑に服すことになったのか。その原因を再審で明らかにしてほしい」ときっぱりと言った。菅家さんとともに再審無罪を訴え十五年。「早く地元に帰って安心して暮らせるようにお手伝いしたい」。節目の日にも新たな支援を誓った。

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<DNA鑑定関係>

「検察 DNAに完敗 足利事件釈放
 旧鑑定「二重のミス」

                 朝日新聞 2009年6月5日


 「科学的捜査」の代名詞だったはずのDNA型鑑定。足利事件で菅家利和さんを「有罪」とする根拠とされた旧鑑定は、約20年を経て、誤りだったことがほぼ確実となった。検察側は捜査員の汗などのDNA型を誤って検出した可能性も探ったが、ついに折れて釈放を決めた。他の事件への影響も、ささやかされ始めた。


 弁護側が推薦した鑑定人の本田克也・筑波大教授(法医学)が今春の再鑑定で最初に手がけたのは、91年に行われた旧鑑定と同じ「MCT118」という方法を、もう一度試みることだった。


 本田教授は当初、女児の肌着に残る体液のDNA型と菅家さんのDNA型は一致するだろうと思っていた。
 「これまでの裁判で、そう認められているのですから」

 菅家さんの型は「18−29」というタイプ。しかし何度実験しても、肌着の体液からは、そのDNA型が検出されない。むしろ「18−24」という別の型がはっきりと出た。

 自分が間違えているのではないか。鑑定書を裁判所に提出する前日まで実験を繰り返した。
 「国が一度出した結論を、簡単に『間違っている』と否定できるわけがありません。でも何百回試しても、一致しませんでした」


 旧鑑定では、肌着の体液と菅家さんのDNA型はともに「16−26」で一致すると結論づけていた。


 有罪の決め手となったこの旧鑑定について、本田教授は「二重の誤り」を指摘する。


 一つは、菅家さんのDNAの型番がそもそも違うこと。もう一つは、肌着の体液と菅家さんのDNA型を同じだとしたことだ。
 「前者は、技術に限界がある頃の話で、責めるつもりはない。でも後者は、勇み足だったのでは」


 というのも、旧鑑定書にはDNA型を示す帯グラフのような写真が添付されており、これが判断の根拠とされていたが、写真を見た本田教授は「これでよく同じ型と言えたな」と感じたからだ。


 旧鑑定からの約20年間で、DNA型鑑定は精度が高まる一方、適用件数も増えてすそ野が広がった。


 「DNA型鑑定は革新的な手法で、多くのケースで正しい結論を導くことは間違いない。しかし、残された試料の量が少なかったり、質が悪かったりするケースでは、今でも判定が難しいことに変わりはない。鑑定人の技能などで結論は左右される」と本田教授は話す。



■同時期の事件に波及か


 「東の足利」が覆った今、「西の飯塚」はどうなるのか――。弁護士らがささやく事件がある。


 92年に福岡県飯塚市の女児2人が殺された事件だ。市内に住む久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚(08年に刑執行)が94年に逮捕された決め手の1つは、やはり導入間もないDNA型鑑定だった。


 県警は逮捕前、任意で採った元死刑囚の髪の毛と、女児の体に付いていた真犯人のものとみられる血液を警察庁科学警察研究所(科警研)に持ち込んだ。科警研が使った複数の鑑定法のうち、足利事件と同じ「MCT118」で一致したとされる。元死刑囚は一貫して否認したが、最高裁は06年に鑑定の証拠能力を認め、他の状況証拠とあわせ死刑判決を導き出した。


 だがこの事件では、検察側が逮捕前、帝京大の石山追廖覆い��剖擬�碧^絣悄法疆��瓩砲睚未裡庁裡膳心嫩蠅魄様蝓�海舛蕕六醂舛�薺彜峺技犒瑳脆一致するDNA型は検出されな��辰拭」

 この結果も一審の公判途中から証拠採用されはした。弁護側が「科警研の鑑定と矛盾している」と主張したが、判決は「科警研の鑑定で試料を使い切っていた可能性もある」と退けた。


 「同じ方法の足利が誤っていたと証明できれば、飯塚でも十分な証拠になりうる」。3月末に再結成した弁護団はこれを新証拠とし、名誉回復の意味合いが強い死後再審の準備を始めた。


 2つの事件と同じ鑑定方法は03年まで主流だった。特に90年代初めの導入初期のころは技術的に不安定だったとみられ、この時期を中心に足利事件と同じようなケースが今後も出てくる可能性がある。

 すべての死刑囚や懲役囚にDNA型鑑定を受ける権利を認めたアメリカ。精度の高い方法での再鑑定で、08年までに計237人が再審無罪判決を受けている。鑑定で無罪を勝ち取った元死刑囚や市民団体の求めで04年10月に成立した「イノセンス・プロテクション・アクト(無実を守る法律)」に基づくものだ。鑑定で犯行が裏付けられた場合は偽証罪に問われるものの、申し立ては相次いでいるという。

 海外の刑事司法に詳しい伊藤和子弁護士は「刑罰を決めるだけでなく誤った判決を防ぐのも国の責務」と、同様の制度の必要性を訴える。」
 
検察側 世間意識し釈放を決断


 検察側はぎりぎりまで釈放をためらっていた。東京高裁が再審請求の即時抗告審で、DNA型の再鑑定を行う見通しとなったのが08年10月。弁護団は勢いづいたが、法務・検察はまだ余裕を見せていた。ある幹部は「新たに鑑定しても負けない根拠はある」と語った。

 しかし、再鑑定の結果は、弁護側、検察側がそれぞれ推薦した鑑定人が、いずれも「DNA型が一致しない」。検察側の自信は、もろくも崩れた。


 検察幹部は「釈放しなければならないかもしれない……。ただ、被害者がいるから簡単には引き下がれない」と漏らした後「やれることをやって犯人ではないということになれば、釈放する方が潔い」。


 「やれること」とは、栃木県警の当時の捜査員ら数十人のDNA型との照合作業。鑑定には女児の衣服に残った体液が試料として使われたが、旧鑑定で中心部分が使われたため、再鑑定では周辺部分が使われた。そのため他人が触って、犯人とは別人の汗などのDNAが混ざった可能性があった。だが検察関係者によると、先月下旬、捜査員らのDNA型とは一切一致しないとの結果が突きつけられた。


 再鑑定に対する東京高裁への意見書の提出期限は今月12日。検察当局は4日午前、最終的な会議を開催。反論できる余地がなくなったため、期限まで1週間以上を残して、事実上無罪であることを認める意見書を提出するとともに、刑の執行を停止する手続きをも取って「白旗」を掲げることを決定した。


 「世間の目だよ」。検察関係者はそれを意識して「釈放は早い方が良く、12日まで待つべきではないと判断した」と明かす。スタートした裁判員制度を念頭に、検察が公正な組織だとアピールしたいとの思惑があったとの見方も、内部にはあるという。」

「【MCT118】 DNA型鑑定の方法の1つ。89年に国内で初めてDNA型鑑定を導入した警察庁科学警察研究所が当初、採用していた。髪の毛根や皮膚など人間の細胞の中に必ず含まれるDNAの一部に着目。塩基という成分の並び方の繰り返しパターンを調べて、435通りの型のどれにあてはまるかなどを識別する。現在主流の方法に比べ、多くの試料が必要で、精度の低さが問題視されていた。」

【再審開始 足利事件18年目の真実】
<1>魔力にかすんだ反証 DNA型鑑定
                東京新聞 2009年6月24日 朝刊

 栃木県警足利署の二階にある取調室で、菅家利和さん(62)は二人の刑事から追及を受けていた。殺人や強盗事件を担当する県警捜査一課。強行犯班班長の警部たちだった。
 「おまえ、子どもを殺しただろう」
 「やってません」
 一九九一年十二月一日。自宅から早朝、同行を求められた。
 午前八時ごろから始まった取り調べは、逮捕もされていないのに連続十三時間。その間、一回ずつだが、髪の毛を引っ張られ、足をけ飛ばされた。
 ついに、うその自供をした。刑事の手を握り、ひざが涙でぐっしょりぬれるほど泣いた。「完オチした」と勘違いした刑事の顔はほころんだが、本当は「どうにもならないという悔し涙だった」と菅家さんは言う。
 無実なのに、なぜ自白してしまうのか。
 「犯人と信じる捜査員は一切弁解を聞かない。孤立無援の中、朝から夜遅くまで取り調べられたら、認めた方が楽という心境になるのです。たいていの人は自白します」
 浜田寿美男・奈良女子大教授(法心理学)は、菅家さんがうその自白を強いられた典型例だと指摘する。無罪が確定した甲山(かぶとやま)事件などで、逮捕された元被疑者の供述証拠を数多く、鑑定してきた。
 いったん自白すると被疑者は物語を作る。矛盾しない話にしないと、刑事から怒られるからだ。怒鳴り声から身を守るため、菅家さんも懸命に考えた。
 パチンコ店の駐車場にいた女児を自転車に乗せて渡良瀬川の河川敷の茂みに行き、自慰行為をした後、女児の首を絞めた−。
 「うそがばれたらいけないという心理になり、犯人を演じようとします。捜査官との対決はそれぐらい、つらい」と浜田教授。捜査官のささいな言葉にも敏感になる。「本当にそうか?」と言われれば、その言い方をヒントに話をつくる。結果として供述は誘導されるという。
 自白の裏付け捜査はどうだったのか。遺体発見現場周辺から足跡はいくつか採取されたが、菅家さんの靴とはどれも合致しなかった。犯行後、スーパーで買い物したとの自白を裏付けるレジの記録も出てこなかった。
 女児を自転車に乗せたと自白すると「男と被害者らしい女児が河川敷の公園を歩いていた」との目撃証言は軽視された。
 菅家さんと女児の下着に付いていた体液のDNA型が一致したとの鑑定を前に、客観的な事実がかすんだ。八百人に一人の一致という精度の低い鑑定でも当時は最新の科学捜査。強力な証拠だと信じた。
 控訴審から弁護人になった佐藤博史弁護士は語る。「捜査官と法律家の目を狂わせた。それがDNAの魔力だったのです」
 自白させた当時の警部はすでに退官。本紙の数回にわたる取材に「自白の強要は絶対にない。本当のことを話してくれと言い続けただけだ」と話す。「いまでも捜査に間違いはないと思っている」。DNA型鑑定だけではなく、必要な捜査はやりつくした、と。だが、そうでなかったことは、犯人しか知り得ない「秘密の暴露」が自白に一切なかったことが物語っている。
    ◇
 逮捕されてから十八年。菅家さんが釈放された足利事件は、裁判員制度の実施を前に、刑事司法を根本から揺さぶっている。再審開始決定を機に、捜査と裁判のどこに問題があったのかを考える。
菅家利和さんが事件当時乗っていた自転車。「荷台に女児を乗せた」とうその供述。後ろは遺体発見現場を指さす佐藤博史弁護士=5月16日、栃木県足利市の渡良瀬川河川敷で

<2>県警に焦り 鑑定頼みに 警察庁、機器配備へ実績求め
                     2009年6月25日 朝刊

 「必ず真犯人を見つける」。そう心に誓った。今月十七日、十七年半ぶりに郷里の栃木県足利市を訪れた菅家利和さん(62)は、一九九〇年に女児=当時(4つ)=の遺体が遺棄された現場で、渡良瀬川に向かい両手を合わせた。
 足利市内では他にも七九年に五歳の女児、八四年にも五歳の女児が行方不明になり、その後、遺体で発見された。物証や目撃情報が少なく、いずれも捜査は難航した。
 事件を解決できない県警に市民らの冷たい目が向けられた。「犯人を捕まえられないくせに」。交通違反取り締まり中の署員が、ドライバーからばかにされることもあった。
 そんな状況下、九〇年十一月初めに駐在所の巡査部長から県警本部に不審者情報がもたらされる。「現場近くの借家に週末だけ宿泊に来る男がいる」。幼稚園の送迎バスの運転手をしていた菅家さんのことだった。
 「女児を狙って五年ごとに起きた事件が解決できず、プレッシャーを感じていた」。足利事件を指揮した元捜査幹部は振り返る。
 九一年十一月、警察庁科学警察研究所(科警研)が出したDNA型鑑定結果は、捜査を一気に菅家さん逮捕へと向かわせた。翌十二月一日朝、菅家さんを足利署に任意同行すると、報道で知った多くの市民が署を取り囲んでいた。県警はかろうじてメンツを保った。
 一方、DNA型鑑定の本格導入を進めていた警察庁も鑑定結果が決め手になった足利事件の解決を喜んだ。科警研は八九年、DNA型鑑定を初めて実用化していた。
 菅家さん逮捕の約三カ月前、警察庁は四府県警に鑑定機器を配備するため、一億一千六百万円を大蔵省(当時)に概算要求。当初は認められなかったが、逮捕直後の復活折衝で認められる。九二年版警察白書は「今までは解決できなかった事件を解決できるようになった。DNA型鑑定を全国の警察に整備する」と宣言した。
 「警察庁は実績がほしかったんだと思う」。当時から、科警研の鑑定方法を批判していた帝京大の石山追廖覆い��北祥清擬�録兇衒屬襦7抻…�慮鬼管瑤癲崑l��錣蓮�腓C淵ぅ鵐僖�箸砲覆辰拭廚版Г瓩襦」
 科警研が実施したのは「MCT118」と呼ばれる鑑定方法。血液型が一致する条件で一万人に十二人を識別できる精度だった。四兆七千億人に一人とされる現在の最新技術で再鑑定した結果、当時の鑑定結果の誤りが分かった。
 石山名誉教授は「MCT118は、ちゃんとした技術を持つ人がやればいい鑑定方法だった。手作業でやる科警研の計測方法に問題があった。ジェット機の操縦を素人がやったようなものだ」と批判する。
 何が捜査を誤らせたのか。三件の未解決事件を抱えていた県警の焦りと、実績を挙げたかった警察庁。真犯人の身代わりに十七年半の獄中生活を強いられた菅家さんは、真相解明を願い、鑑定作業の検証も求めている。
女児の遺体発見現場に手を合わせ冥福を祈る菅家利和さん=17日、栃木県足利市で


<3>真犯人はどこに 地域住民に新たな不安
                     2009年6月26日 朝刊

 「この地域に真犯人がいる。捕まらなければ殺された松田真実ちゃんは浮かばれない」。今月十七日、夕暮れを迎えた渡良瀬川の水面(みなも)に、そっと手を合わせる菅家利和さん(62)の姿を見ながら支援者の女性がつぶやいた。
 一九七九年以降、栃木県足利市と隣接する群馬県太田市の県境約二十キロ圏内で殺害されたり、行方不明の女児は五人もいる。四人は就学前の幼女だ。三人はパチンコ店から連れ去られたという共通点がある。遺体発見現場は二件が渡良瀬川、一件が利根川河川敷だ。
 菅家さんは足利市内で起きた福島万弥ちゃん=当時(5つ)、長谷部有美ちゃん=同=についても犯行を認めた。栃木県警は万弥ちゃん事件で菅家さんを再逮捕したが、宇都宮地検は物証がないとして両事件とも不起訴に。菅家さんは釈放後、いずれも虚偽の自白だったことを明らかにした。
 公訴時効にかかっていないのは、九六年七月七日、太田市のパチンコ店で群馬県大泉町の横山保雄さん(42)の長女ゆかりちゃん=当時(4つ)=が行方不明になった事件だ。
 「菅家さんが捕まったことで安心し、うちの子を狙ったかもしれない」。保雄さんは事件以来、ゆかりちゃんの二人の妹が心配でならない。帰りが少しでも遅いと携帯電話を鳴らす。家の近くで遊んでいても、声が聞こえなくなると慌てて外に飛び出すという。
 犯人の手掛かりはある。店内の防犯ビデオにゆかりちゃんに話し掛ける不審な男が写っていた。足利事件の際に、女児を連れて河川敷を歩いていた不審な男が目撃されているが、菅家さんの弁護団は、男を見た女性から、防犯ビデオの男と歩き方が似ているという証言を得た。
 足利事件弁護団の佐藤博史弁護士は「遺留物の再鑑定では菅家さんの無実だけでなく、真犯人のDNA型も判明した。太田市の事件と同一犯である可能性もあり警察は再捜査をするべきだ」と訴える。
 菅家さんの冤罪(えんざい)が証明されたことで、新たな不安が地元を包む。県境をまたぐ地域に同一犯人の影が見え隠れしている。「事件の全容解明が真の謝罪になる。菅家さんや被害者、市民には時効は関係ない」。菅家さんの支援を続ける女性は、地域の思いを代弁するように言った。
 七夕にいなくなったゆかりちゃんの帰りを祈り、家族は毎年玄関先に七夕飾りを置く。今年もまた、その日が来る。赤ん坊のころにゆかりちゃんに抱かれた写真を宝物にする次女(13)は、今年も短冊に「お姉ちゃんが早く帰ってきますように」と書くつもりだ。

<4>『再鑑定』明暗 科学への過信裏目
                東京新聞 2009年6月27日 朝刊

 当時、DNA型鑑定の結果に疑いを挟めなかった。「法律家は科学に弱い。新しい技術だからと信じてしまった。これからも新しい科学的知見は出てくるだろうが、何を信じていいのか…」
 足利事件で一九九一年、菅家利和さん(62)を殺人罪などで起訴した宇都宮地検の元幹部はそう語った。
 「DNA型が間違いなく一致している。お願いします」。栃木県警の捜査員は菅家さんへの強制捜査をそう求めてきたという。「DNAと自白があるならば」と検察はゴーサインを出した。菅家さんは十三時間に及ぶ任意の調べで「自白」し、逮捕された。
 七九年と八四年、いずれも五歳の女児が殺害された二つの事件についても、菅家さんは「自白」した。県警は起訴を求めたが、地検側は押し返した。「捜査記録を見たら自白以外は何も証拠がなかった。とてもじゃないが、起訴するのは無理だった」。元幹部は、事件後、間もなく退官し弁護士になった。十七年半も自由を奪われた菅家さんに対し「すまないと思う。弁解のしようがない」と謝罪する元幹部もまた「DNAの魔力」にとらわれた一人だった。
 菅家さんの釈放から二週間後の今月十八日、衆院議員会館で開かれた民主党の法務部門会議に、福岡県から駆けつけた岩田務弁護士(63)の姿があった。
 昨年十月、七十歳で死刑が執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚の弁護人。福岡県飯塚市で九二年二月、小学一年の女児二人を殺害したとして殺人罪などに問われ、二〇〇六年に死刑が確定していた。
 後に「飯塚事件」と呼ばれるこの事件も有罪の決め手は、警察庁科学警察研究所(科警研)が実施したDNA型鑑定だった。足利事件と同様、黎明(れいめい)期の精度の低い鑑定だった。
 飯塚事件の再審請求には高いハードルがあった。再鑑定を求めようとしても、採取した血液などの試料を科警研などが使い切っているからだ。日弁連刑事法制委員会事務局長代行の山下幸夫弁護士によると、米国では再鑑定のために採取試料を使い切らないで残すルールをつくり、採取したDNA型情報は第三者機関が管理し、弁護側も使えるなど公平性が保たれているという。日本では、最高検が菅家さんの釈放後に、ほかの事件でもDNA関連の証拠を保管するよう指示した。
 死刑確定者は現在百一人。そのうち六十一人が再審請求している。「執行に際し事件を精査するのは当然だが、今まで以上に見極めなくてはいけない」と法務省幹部は語る。
 久間元死刑囚は、再審請求の準備が進んでいた昨年十月、死刑を執行された。「再鑑定できない証拠を裁判で採用する際には制限を設けるなど基準づくりが必要だ」。岩田弁護士は「死後再審」に向けて準備を進めている。

<5>当初から『犯人視』報道 本紙の検証
                     2009年6月28日 朝刊

 「足利の幼女殺害自供 元運転手を逮捕」「栃木県警 他の3件追及へ」。栃木県足利市で当時四歳の女児が殺害された事件で、東京新聞は一九九一年十二月二日の一面トップで菅家利和さん(62)の逮捕を報じた。
 社会面では「DNA鑑定が決め手」の見出しで「一時は迷宮入りをささやかれた事件を解決に導いたのは、DNA鑑定という先端技術だった」と伝えた。当時の鑑定はまだ精度が低かったが、記事には「DNA指紋とも呼ばれる」と過大評価する表現もあり、精度への疑問を指摘する視点はなかった。
 逮捕後は菅家さんの供述内容を詳細に報道。「いたずらしようとした時に、騒がれては困ると思って殺した」「殺したことを話す勇気がなかった。しかし、被害者の霊に申し訳ないとわびる決心がついたので、正直に話します」などと、捜査本部の発表をもとに「自白」に至った経緯や動機などを報じた。
 また、菅家さんの自宅などから押収されたとして、「少女写真、ビデオ収集」と大きく報道。捜査本部は、押収したのは成人対象ビデオで、少女ビデオなどはなかったと訂正したが、小さな記事だった。
 勤務先だった保育園の取材では、ある母親の「あんなことをやりながらも子どもたちの送り迎えをやっていたと思うと、本当に恐ろしい」との感想を掲載した。
 菅家さんは同月二十一日、殺人などの罪で起訴された。二十二日付の新聞では「2幼女殺害も供述」と菅家さんが足利市内で起きた未解決事件二件も自分がやったと供述したことを一面で報道した。
 しかし、この二件は「自白しか証拠がなく、起訴するのは無理だった」(当時の検察幹部の証言)。結局、大々的に報じられた未解決事件への関与は不起訴になっている。菅家さんは釈放後、三事件すべてがうその自白だったと語っている。
 東京新聞(中日新聞社)が今年三月から実施している「事件報道ガイドライン」は、無罪推定の原則の尊重をあらためて強調。犯行を認めていても「不当におとしめることは許されない。近所の人の憶測を裏付けなしに記事にせず、情報の出所を示して、信頼できる情報を節度を持って書く」と定めている。
 約十八年前の記事を現在のガイドラインと照らし合わせると、当時の報道は菅家さんを「犯人視」する報道に満ちていたと言わざるを得ない。
 菅家さんの裁判は二〇〇〇年七月、最高裁が上告を棄却、無期懲役が確定した。一九九二年二月の初公判から確定までの間、菅家さんや弁護団の無実の訴えに正面から向き合い、きちんと取材しようという姿勢が本紙には足りなかった。
 菅家さんは無実だという視点から、捜査の矛盾点などを継続的に報道してきたのはフリージャーナリストと民放テレビ局の記者だった。菅家さんの再審開始の決定は、司法の敗北であると同時に、大手メディアの敗北でもある。 =おわり
 (この企画は瀬口晴義、荒井六貴、横井武昭、佐藤直子が担当しました


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2009年07月14日

三鷹事件から60年あらゆる えん罪事件を許さない集い

三鷹事件から60年あらゆる えん罪事件を許さない集い

  日時:7月15日(水) 13:30〜16:30
  場所:武蔵野公会堂(パープルホール)
      東京都武蔵野市吉祥寺南町1-6-22 TEL 0422-46-5121
      JR吉祥寺駅または京王井の頭線吉祥寺駅(公園口)下車徒歩2分
     入場自由
  主催:三鷹事件60年実行委員会 TEL 042-527-9339
 
  (門間幸枝副代表が連帯の挨拶をします)

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2009年06月19日

公開学習会 (PART 15)「えん罪・JR浦和電車区事件の真実」

公開学習会 (PART 15)
えん罪・JR浦和電車区事件の真実


 今回は、えん罪を訴えておられる元JR運転士の小黒加久則さんにお越しいただきます。2002年、JR浦和電車区で、一組合員へ会社退職、組合脱退を強要したとして、7人の組合員が突然逮捕されました。取り調べは1日約10時間、22日間も続き、小黒さんたちは、344日間も勾留されました。収容されていた東京拘置所では、奇遇にも袴田巌さんと同じ階にいたことがあり、何度か見かけたこともあるとブログで紹介なさっています。ご自身のえん罪体験とともに、東京拘置所内の様子についても、ぜひお聞きしたいと思います。

<袴田巌さん・・・1966年6月、静岡県清水市(現静岡市)で起きた一家4人殺人、放火事件の犯人とされ、死刑判決を受けましたが、獄中から一貫して無罪を訴え続けて来ました。昨年3月に再審請求が最高裁で棄却されたため、静岡地裁に第2次再審を請求中です。>

 日 時 2009年6月21日(日)3時〜5時
 場 所 カトリック清瀬教会

      清瀬市松山1ー21ー12 ☎042-491-0104
 参加費 500円
 講 師 小黒加久則さん

     東京都生まれの34歳。埼玉県で小中高校に通い、18歳でJR
     東日本に入社。駅、車掌、運転士を経験する。2002年11月、組
     合内での説得活動が強要罪にあたるとして突然逮捕され、勾留は
     344日に及んだ(JR浦和電車区事件)。1審判決は「任意性を認
     めない」「任意性を認めても信用性を認めない」として自白調書
     を採用しなかった。しかし、組合脱退について強要罪を適用し有
     罪としたため、無罪を求めて控訴。6月5日に2審判決。

主催:無実の死刑囚・元プロボクサー袴田巌さんを救う会 
共催:カトリック東京教区正義と平和委員会

お問合せ:042-394-4127(もんま)

〜学習会の後、懇親会が開かれます〜

〈交通〉西武池袋線「清瀬」駅南口下車徒歩5分。またはJR中央線武蔵小金井駅北口から清瀬駅行きバス(30~40分)「保育園入口」下車すぐ。


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2008年07月16日

布川事件第二次再審請求、東京高裁も再審支持!

布川事件、高裁も再審認める 67年、茨城の強盗殺人
                   朝日新聞 2008年7月14日

 67年に茨城県利根町布川(ふかわ)で男性(当時62)が殺害され、現金が奪われた「布川事件」で、強盗殺人罪などで無期懲役刑が確定し、仮出所した桜井昌司さん(61)と杉山卓男さん(61)が裁判のやり直しを求めた第2次再審請求の即時抗告審で、東京高裁(門野博裁判長)は14日、水戸地裁土浦支部が出した再審開始決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却する決定をした。
 検察側は最高裁に特別抗告できる。抗告を断念すれば、再審が開かれることになる。
 捜査段階の自白以外に2人と事件を結びつける証拠が乏しく、公判では自白の信用性が争点となった。78年に最高裁で確定した判決は、2人の自白の信用性を認め、2人が被害者の口に下着を詰め、首を絞めて殺害し、現金10万7千円を奪ったと認定した。
 即時抗告審で弁護側は、事件があった時間帯に被害者宅近くにいた女性が「事件現場で見た男は杉山さんらではない」と証言した供述調書や、自白が録音されたテープを音響学的に分析した結果などの新証拠を提出した。女性の目撃証言は、再審請求段階で検察側が開示していた。
 門野裁判長は、この女性の目撃証言や、「ひもなどで首を絞めた可能性が高い」とする鑑定結果などを検討。有罪の根拠となった「2人を見た」とする男性の目撃証言には「重大な疑問が生じ、確定判決の判断を維持できない」と結論づけた。
 殺害方法や現場の物色状況をめぐり、自白内容が変遷した点については「実際には体験したことではないため、違いが生じた疑いがある」と指摘。自白録音テープに中断などの跡が認められることから「取調官の誘導のあったことをうかがわせる」とした。2人の指紋や毛髪が現場から見つからなかったことなどとあわせ、「自白の信用性を疑わせる」と判断した。
 決定について東京高検の鈴木和宏次席検事は「内容を十分検討し、最高検とも協議のうえ適切に対処したい」とコメントした。(河原田慎一)


布川事件 東京高裁が再審開始支持 検察の即時抗告棄却
                       毎日新聞 7月14日

 茨城県利根町布川(ふかわ)で67年、大工の男性が殺害され現金が奪われた「布川事件」の第2次再審請求で、東京高裁は14日、水戸地裁土浦支部の再審開始決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却した。門野博裁判長は「自白の信用性に重大な疑問があり、有罪とした確定判決に合理的な疑いが生じている」と判断した。検察側が特別抗告すれば審理は最高裁に移るが、断念すると再審が開始される。

 再審請求していたのは、強盗殺人罪などで無期懲役が確定し、仮釈放された桜井昌司さん(61)と杉山卓男さん(61)。01年に2度目の再審を請求し、05年に土浦支部が再審開始を決定。これに対し検察側が高裁に即時抗告していた。

 門野裁判長は、最大の争点となった被害者の殺害方法と順序について、土浦支部の判断を支持。「首を絞めてから口にパンツを詰めた可能性が高く、自白内容と矛盾する」とした弁護側鑑定の新証拠を採用し、「『口にパンツを押し込んだ後に手で首を押して殺した』とした2人の捜査段階の自白が客観的事実に反している」とした。

 さらに「2人が実際に体験していないために、不自然な供述の変遷を重ねたと考えられる」と指摘。「犯行後、足でガラス戸をけって破損させた」とした自白についても、新証拠に基づき「被害者と犯人が格闘する過程で被害者らの体重がガラス戸にかかり、破損が生じたとみるのが相当」と否定した。

 このほか(1)2人を被害者宅付近で目撃したという近隣住民の証言には信用性がない(2)現場から2人の指紋や毛髪が発見されていない(3)自白からしか判明しない『秘密の暴露』が存在しない−−などと指摘し、「虚偽自白を誘発しやすい環境に置いたことには問題があった」と捜査を批判。自白の録音テープに編集跡があったことから「自白には取調官の誘導がうかがわれる」と述べた。【伊藤一郎】

 鈴木和宏・東京高検次席検事の話 主張が認められず誠に遺憾。決定内容を十分検討し、最高検とも協議の上、適切に対処したい。

 【ことば】布川事件 茨城県利根町布川で67年、独り暮らしの大工、玉村象天(しょうてん)さん(当時62歳)が自宅で殺され、現金約11万円が奪われた。茨城県警は約2カ月後に桜井昌司さんと杉山卓男さんを強盗殺人容疑で逮捕した。2人は捜査段階で自白し、公判で否認に転じたが、70年に無期懲役判決を受け、78年に最高裁で確定。約18年間の服役を経て96年に仮釈放された。

 ◇布川事件の主な経緯◇
67年8月 茨城県利根町布川で大工の男性が殺され、
     現金が奪われる
   10月 強盗殺人容疑で2人を逮捕
70年10月 水戸地裁土浦支部が無期懲役判決
73年12月 東京高裁が控訴棄却
78年7月 最高裁が上告棄却、2人の無期懲役が確定
83年12月 服役中の2人が第1次再審請求
87年3月 水戸地裁土浦支部が請求棄却
88年2月 東京高裁が即時抗告を棄却
92年9月 最高裁が特別抗告を棄却
96年11月 2人が仮釈放される
01年12月 第2次再審請求
05年9月 水戸地裁土浦支部が再審開始決定
     水戸地検が東京高裁に即時抗告
08年7月 東京高裁が再審を支持し、即時抗告を棄却



布川事件:「自白偏重」に警鐘 東京高裁判断
                       毎日新聞 7月14日

 布川事件の再審開始決定を支持した東京高裁の判断は、再審の「冬の時代」とも言える近年の厳しい司法判断の流れに雪解けをもたらした。今回の決定に対し、検察側は特別抗告できるが、再審事件で最高裁に認められたケースは過去になく、決定は極めて重要な意味を持つ。
 「疑わしきは被告の利益に」という刑事裁判の鉄則を再審事件にも適用すべきとした最高裁の「白鳥決定」(75年)以降、80年代までに日本弁護士連合会が支援した再審事件の無罪確定は10件に上り、一時は再審の扉が広く開かれた。
 しかし、90年代以降、再審で無罪になったのは「榎井(えない)村事件」(高松高裁、94年)の1件のみ。その後、「日産サニー事件」(仙台高裁で95年取消)、「大崎事件」(福岡高裁宮崎支部で04年取消)、「名張毒ぶどう酒事件」(名古屋高裁で06年取消)と一度は再審開始決定が出たにもかかわらず、検察の即時抗告や異議申し立てで覆るケースが相次いだ。
 多くのえん罪事件と同様に、布川事件も物的証拠がなく、自白偏重の捜査が行われた。取り調べの全面録音・録画(可視化)の議論も高まる中、警察や検察は不当に自白を強要することのない適正な捜査を肝に銘じなければならない。【伊藤一郎】



布川事件、無期懲役刑2人の再審認める…東京高裁
                   読売新聞 2008年7月14日


 茨城県利根町布川(ふかわ)で1967年、一人暮らしの大工玉村象天(しょうてん)さん(当時62歳)が殺害され、現金が奪われた「布川事件」を巡り、強盗殺人罪で無期懲役刑を受けた同町出身の桜井昌司さん(61)と杉山卓男さん(61)(ともに96年に仮釈放)が、無罪を主張して裁判のやり直しを求めた第2次再審請求の抗告審で、東京高裁は14日、再審開始を認めた水戸地裁土浦支部の決定を支持し、検察側の抗告を棄却する決定をした。
 門野博裁判長は「新旧の証拠を総合評価すると、確定判決が有罪の根拠とした目撃証言や自白の信用性に重大な疑問が生じた」と述べた。
 戦後発生した事件で、無期懲役刑か死刑が確定した後、再審が開始されたのは5件しかなく、いずれも無罪が確定したが、これらは終戦後約10年の間に起きた事件だった。現行刑事訴訟法が定着してから起きた今回の事件で東京高裁が再審開始を認めたことは、捜査のあり方にも問題を投げかけそうだ。

東京高裁による再審開始の決定を受け、支援者らと抱き合って喜ぶ桜井さん(中央)と右手で○印を作ってみせる杉山さん(右)=上甲鉄撮影
 布川事件は有力な物証がなく、確定判決は、桜井さんと杉山さんの自白や、事件当日、現場近くで2人を見たという住民らの目撃証言によって、有罪と認定していた。第2次再審請求で弁護側は、新証拠として、事件が起きた時間帯に、玉村さんの自宅近くで桜井さん、杉山さんとは容姿や着衣などが異なる2人の男を見たという近隣女性の捜査段階の供述調書(検察側が証拠開示)を提出。東京高裁は、桜井さんと杉山さんを見たとする目撃証言の信用性には「重大な疑問がある」と述べた。
 また、弁護側が提出した、被害者の殺害方法に関する医師の鑑定書が、「布などで首を絞められた絞殺の可能性が高い」としていることから、高裁は「両手でのどを強く押した」との自白は、「客観的事実に反している可能性が高い」とした。
 そのうえで、殺害状況などに関する2人の供述が次々と不自然に変遷しているのは、「実際に体験したことではないためと考えられる」と述べた。
 また、被害者宅の室内の破損状況が、2人の自白と整合しないことも指摘。「自白には無視することのできない顕著な変遷が認められ、重要部分に客観的事実に反する供述が含まれている」として、自白の信用性を否定した。
 2005年9月の水戸地裁土浦支部決定は、医師の鑑定書に基づき、「絞殺の可能性が高く、自白の中心部分が死体の客観的状況と矛盾する」と指摘。再審開始を認めたため、検察側が即時抗告していた。
 今回の決定に対し、検察側が5日以内に特別抗告すれば、最高裁で改めて審理されるが、特別抗告しなければ、再審開始が決まる。



無罪の叫び『壁』越えた 布川事件高裁も『再審』認める
                   東京新聞 2008年7月14日

 ついに再審への扉が開いた。四十一年前に起きた「布川事件」の第二次再審請求で東京高裁は十四日、再審開始を決定した。逮捕から二十九年間の獄中生活を終え、仮釈放中の身で無罪を訴え続けている桜井昌司さん(61)と杉山卓男さん(61)は支援者に囲まれ、「今日はただただうれしい」「無罪が確定するよう頑張る」と晴れやかな笑顔を見せた。
 午前十時五分すぎ、東京高裁の正門前に待ち構える支援者らの前に「勝利決定」「再審開始」と書かれた幕が掲げられた。わき上がる拍手。「開始が出た!」「やった、やったぞ」。あちこちから歓声が上がった。
 カメラを掲げた報道陣が殺到する支援者の輪の真ん中で、請求人の桜井昌司さんがマイクを握る。「ありがとうございました」と繰り返した後、笑顔を引き締めて「あと少しです。皆さん一緒にがんばりましょう」と支援者らに呼び掛けた。
 もう一人の請求人、杉山卓男さんも「四十年間にわたる執念が通じた。支えてくださった皆さん、ありがとうございました」と感無量の表情を見せた。
 その後、桜井さんと杉山さんを囲み、支援者らが「検察庁は特別抗告をするな」などと叫びながらこぶしを突き上げた。
■『証拠隠し、これで裁判員制とは…』
 再審開始決定を受けて、杉山卓男さんと桜井昌司さんと弁護団が、東京・霞が関の弁護士会館で会見した。
 杉山さんは「やっと四十何年ぶりに、かたきが討てたと思っている。これから無罪が確定するように頑張ります」と喜びの報告。数日前に裁判所から「(決定が出る日に)家族はいらっしゃいますか」と聞かれた。「そのときに勝利を確信した」と笑顔をみせた。
 桜井さんは「今日はただただうれしかった。布川事件は日本一の支援者に恵まれた」と感謝した。三十年前、新聞の社説に「布川事件は自白などすべての面で疑わしい」と掲載されたが、「そのころからおかしい事件と分かっていたのに、裁判所だけは分かっていなかった」と苦笑した。
 最後に「自白だけで有罪はおかしい。すべての冤罪(えんざい)事件の力になりたい。検察官が証拠隠しをして、こんなことで裁判員制度が始まるのは許されない」と語りかけると会場から大きな拍手がわいた。


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2008年06月12日

キャンペーン「叫びたし寒満月の割れるほど」〜福岡事件の再審開始を求めて〜

     キャンペーン「叫びたし寒満月の割れるほど」
        〜福岡事件の再審開始を求めて〜



「叫びたし寒満月の割れるほど」

 この句は28年もの間「無実」を訴えながら、1975年6月17日死刑執行された西武雄さんの魂の叫びです。
 1947年に起こった福岡事件で、西さんは強盗殺人事件の主犯として死刑判決を受けました。しかし逮捕されてから一貫して「冤罪」を主張、何度も裁判のやり直しを求めましたが、すべて棄却され、その挙句に突然処刑されてしまったのです。
 彼は獄中で、約3000巻の写経と仏画を描き続けました。それは「誰にも聞いてもらえないこの胸のうちを仏様に訴えるため」だと、生前語っていました。
 2005年春、西さんの遺族らは、死刑執行後では史上初となる再審請求を福岡高裁に提出しました。それから3年が経ち、関係者が次々と他界する中、一刻も早い再審の開始を求めて、私たちは全国でキャンペーンを開催します。今も起こる冤罪事件、その原点ともいえる福岡事件の真実を明らかにするために、どうぞ皆様のお力をお貸しください。ご参加をお待ちしております。(キャンペーンチラシより)

6月13日(金)、14日(土)
東京 パネル展、遺品展、書展  
YMCAアジア青少年センター(水道橋)(千代田区猿楽町2-5-5)
(※13日は2階会議室で12時から午後9時まで展示
 14日は地下1階スペースYにて午後1時から午後5時まで展示) 
※13日の展示は入場無料

6月14日
「福岡事件の真実を明らかに!〜61年間の無実の訴え」
スペースY地下ホール 
午後1時開場、1時半開演〜午後4時半終了予定。

プログラム(予定): 
 基調講演(八尋光秀弁護士)
 ビデオ上映
 シンポジウム(土井たか子さん、森達也さん、落合恵子さんほか)
 献曲コンサート(ウォン・ウィン・ツァンさん、鯉沼廣行さん、金子由美子さん)
 学生の会挨拶ほか
※入場料 大人2500円(前売り2000円)、大学生以下1000円(前売り共)



キャンペーンのスケジュールは臨時サイトをご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/fukuoka_jiken/e/e1958497bab5baa41983aa700b688cc4

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2008年04月02日

東京新聞、「福岡事件」記事 無実なのに処刑された死刑囚

【こちら特報部】死刑−存廃を問う前に 
 冤罪やむなしなのか
   東京新聞 2008年3月31日

 一家4人が殺害された「袴田事件」で、犯行を否認してきた袴田巌死刑囚(72)の再審請求が今月、最高裁で棄却された。同様に犯行を否認しつつも、処刑された死刑囚がいた。1947年の「福岡事件」で主犯とされた西武雄さん(死刑執行時60歳)だ。遺族らは今も、無実を証明する再審を請求しており、弁護人は「冤罪(えんざい)死刑もやむを得ない、という社会でいいのか」と疑問を投げ掛ける。 (岩岡千景)


〜東京新聞のサイトには前文しか掲載されていません。記事のサブタイトルは以下の通りです。図書館等でご覧下さい〜

 「福岡事件」刑執行後も無実の叫び
  父継ぎ救援活動「命の重さ教えられ」
  
 「遺族のためやない」
  釈放願い出たのに処刑
  同情、でも半信半疑「終身刑の導入を」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2008033102099740.html

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2008年03月18日

米、人権報告書が日本の刑事裁判制度の問題点を指摘 東京新聞記事

日本の裁判の問題点指摘 米人権報告、北朝鮮非難も
                 東京新聞 2008年3月12日

【ワシントン11日共同】米国務省は11日、世界各国の人権状況に関する2007年版の年次報告書を発表、富山県の強姦冤罪事件に触れながら日本の刑事裁判制度の問題点を指摘した。また北朝鮮を「市民生活のほぼすべての側面を規制し続けている」と非難した。
 日本に関しては、最高検が昨年8月、強姦冤罪事件で「自白偏重が主な要因となった」などとする検証結果をまとめたことに言及。多くの被告人が弁護人への接見機会が十分に確保されていないと考えているなど「裁判手続きは検察側に有利」と明記した。
 報告書は「最も組織的に人権侵害が行われている国」の1つに北朝鮮を挙げ「15万−20万人が政治犯収容所に入れられているとみられる」と言及。一方で、情報を確認する手段がなく、北朝鮮脱出住民(脱北者)の証言も内容が古いものが多いとの脚注が付され、情報収集の困難さを特記した。
 昨年9月に反政府デモが武力弾圧されたミャンマーも、人権状況が悪化する一方だと述べ「法に基づかない殺害や拷問などを続けた」と非難。


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2008年02月15日

『冤罪File』創刊

『冤罪File』という雑誌が出ました。定価380円だそうです。
 2008年3月号(創刊号)の目次を掲載します。

巻頭インタビュー 
 映画監督 周防正行「裁判そのものを描きたかった」

特集 痴漢冤罪
・西武新宿線事件
  矢田部さん夫妻 インタビュー
  無罪判決でも取り戻せない −失った2年間ー
・西武新宿線第3事件
  正広さん インタビュー 
  平穏な暮らしを奪った冤罪 −今も残るトラウマ−
・「左手の証明」著者  小澤実さん インタビュー
・海外情報 大詰めを迎える 米・黒人死刑囚の再審請求
・現役TVプロデューサーの激白
  冤罪報道の客観性を問う!「袴田被告」が「袴田さん」に変わるまで
・総力取材 福岡・引野口事件
  獄中のスパイが聞いた「告白」
・スリ未遂!? サラリーマンを襲う新たな”電車内冤罪”
・10年目の東電OL殺人事件
・裁判官の品格
  「名張毒ぶどう酒事件」再審決定を取り消した門野博裁判長ってどんな人?
・さーて、みんなで考えよう!「裁判員制度」
  裁判員PRビデオ 概要
  裁判員PRビデオ上映会 法曹三者の姿勢の違い明確に
・ずさんな捜査で誤認逮捕!! 野洲殺人事件顛末記
・無実の袴田死刑囚を救え!! チャリティーTシャツ発売と再審請求アピール
・冤罪関連ブックレビュー
・編集後記・次号予告


 http://enzaifile.com/index.html


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