<10月死刑廃止デー>響かせあおう死刑廃止の声2021
〜司法がつくる差別、司法がただす差別〜
◎ シンポジウム SUGIZO × 徳田靖之 × 青木理
(MC:ジョー横溝)
◎ 死刑廃止のための大道寺幸子・赤堀政夫基金:死刑囚の作品展と講評 香山リカ/北川フラム/嶋田美子/中村一成/太田昌国
■入場料 無料(会場は空きなし)
■主催 死刑囚絵画展運営会
死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90
講演者 田中禎昭氏(専修大学文学部准教授)
報告者 弁護士小川原優之氏(二弁会員,日弁連死刑廃止実現本部
事務局長)
コーデネーター 弁護士矢澤f治氏(二弁会員、二弁人権擁護委員会
死刑制度廃止検討部会員)
ディスカッション 弁護士伊達俊二氏(二弁会員),田中禎昭氏ほか
対 象 弁護士及び一般市民
主 催 第二東京弁護士会
参加費 無料
死刑は三審とも全員一致が必要 議連が新法案
共同通信 2011.2.12
超党派の「死刑廃止を推進する議員連盟」(会長・亀井静香国民新党代表)は12日、死刑判決を減らすための新たな法案の概要をまとめた。これまでの案では死刑判決に関し、第一審だけを対象に「裁判官と裁判員が全員一致した場合」と規定していたが、新たな案では控訴審と上告審でも裁判官の全員一致が必要とした。
死刑判決へのハードルを上げた形。16日に国会内で総会を開き、概要案を議論する。月内にも法案を作成し、議員立法で今国会への提出を目指すが、死刑廃止に異論も根強く成立の見通しは立っていない。
議連は2002年から08年にかけ計3回、死刑廃止に向けた法案を作成。いずれも国会提出はできなかった。
08年案は「死刑存続派」の理解も得られるよう「廃止」を掲げず、死刑判決を減らすために、仮釈放のない重無期刑(終身刑)の創設を柱とした。今回の案も同様で、死刑制度の存廃を調査する「死刑制度調査会」の衆参両院への創設や、調査会設置後の死刑執行の一時停止も盛り込んだ。
重無期刑は現在の死刑と無期刑の「中間刑」として創設。三審それぞれで、死刑の意見が過半数だった場合に適用するとしている。12年4月1日からの施行を目指す。
議連は1994年に発足。与野党の議員約70人が参加している。
死刑囚の精神状態を一斉調査=千葉元法相、退任直前に指示
朝日新聞 2011年2月11日
千葉景子元法相が退任直前の昨年8月下旬、全国の拘置所に収監中の死刑囚約110人のうち、心神喪失の可能性を否定できない死刑囚の精神状態を調べるよう指示し、法務省が複数の死刑囚の調査を行っていたことが11日、分かった。死刑囚の精神状態に関する一斉調査は異例。
刑事訴訟法は、死刑囚が心神喪失の状態にあるときは、法相の命令で執行を停止すると定めている。元法相は取材に対し、指示した事実を認めた上で、「刑事訴訟法の規定がある以上、きちんと調べる必要があると考えた」と語った。
1966年に起きた「袴田事件」で死刑が確定した袴田巌死刑囚を支援する議員連盟が昨年8月24日、「袴田死刑囚は心神喪失状態にある」として元法相に刑の執行停止を要請。元法相はこの後、「(袴田死刑囚を含めて)心配な状況があれば調べるように」と指示した。
これを受け、法務省は袴田死刑囚を含む複数の死刑囚を対象に精神鑑定などを実施。袴田死刑囚については「執行停止の必要性は認められない」との結論に達したという。
元法相は死刑廃止論者だが、参院選落選後の同年7月に死刑執行を指示し、批判の声が出ていた。
[時事通信社]
「刑場の公開」は記者クラブ限定の「半公開」に
「保坂展人のどこどこ日記」死刑制度 / 2010年08月27日
さすがに「密行主義」と言われるだけの法務省である。今日の午前、東京拘置所の刑場が「一部公開」された。何度問い合わせても回答のないフリーランスや海外メディアには黙って、「縛り」のきく記者クラブだけを対象として、「抜き打ち記者クラブ限定取材」をさせたのだ。スチールとムービーカメラは1台づつの代表取材だったようで、撮影は法務省の許可する範囲で行なわれた。
外の見えない黒テープで窓を覆われたマイクロバスで刑場に案内された21人の記者たちは、まず「教誨室」に通されたという。私たち、衆議院法務委員会は03年、07年と2回にわたって東京拘置所の「刑場」を見ているが、一度も案内されたことのない場所だ。そして、死刑囚が拘置所長から「死刑執行命令」を宣告される控室(前室と呼ぶらしい)から、刑壇(下に落下していく踏み板がある)の部屋にも入り、ボタン3つの写真も撮影されている。少し前まで法務省は、ガラスで隔てられた立合席のみ許可するという姿勢だったようだが、ぎりぎりで取材を認める範囲を広げたということだ。
ただし、壁伝いのロープを通す輪と、天井の滑車は写真にあるが、肝心のロープ(絞縄と呼ぶ)はない。死刑執行には不可欠な道具だが、「通常の管理状態では備えられていない」という理由を述べたというが、その状態では「刑場」とは呼べない「刑場準備室」だろう。何人かの人に写真を見せたが、「ピンとこない。意外ときれいな部屋」「言われないと何の写真かさっぱり判らない」というものだった。ここにロープの輪が天井から降りていれば、誰にでもわかる。
また、報道陣は立合席から地下室へ降りることも禁じられた。「死刑囚が生命を絶つきわめて厳粛な場で、死刑囚やその家族、刑務官などに与える影響を考慮した」ことが、法務省の立ち入り禁止理由のようだ。私は以前から「刑場の公開」と呼べるかどうかは、この地下室に入ることが出来るかどうかによって決まると述べてきた。上層階がジュウタンがしきつめられた部屋であるのに対し、コンクリート打ちっぱなしの地下室は「死の空間」だ。2回の視察で、地下室に入り、ここから上の踏み板が頑丈で堅牢な部品に支えられて、何百回でも開閉し続けるたびに人が死んでいくのだという実感を持って、背筋が凍った。立合室(上層)から見下ろすように移した写真が読売新聞(夕刊)に掲載されている。その下部には「排水口」があって、間近で見ると生々しい。「刑場の露と消える」という言葉がぴったりの黒い鉄格子が不気味だった。
死刑執行の場となる刑場は、「法と正義」の名の下で「厳粛性」を保つように設計されている。だが、死刑執行は生命断絶のプロセスで、どのように糊塗しようとも「残虐性」を消すことは出来ない。ロープも地下室も、「死刑囚の死」という生々しい現実を物語る。その「残虐性」を出来るだけ消して、「厳粛性」を強調するというのが法務省の方針だった。記者たちは、刑場取材の間、拘置所職員の説明に対して、記者の側から質問することも禁止されたという。
口も開くな、勝手に撮影するなと制約だらけの「半公開」ではあったが、ツイッターには「日本の死刑執行は絞首刑だったとは知らなかった」などの書き込みもあり、情報開示へ一歩であることも事実だ。千葉大臣は、任期終了までに「国民的議論」を喚起したいのなら、東京拘置所で死刑執行を待つ確定死刑囚の処遇もぜひ見てほしいし、40年以上、冤罪を訴えて獄につながれている袴田巌さんにも面会してほしい。これも、死刑制度をめぐる情報開示としては重要だ。
今日の「刑場の一部公開」が、死刑制度をめぐる議論の土台になるかどうかは、これからの私たちの議論の深め方にかかっている。千葉法相は、「裁判員制度で国民が究極の選択を迫られる」との認識から「刑場の公開」を考えたと言うが、「裁判員制度」の欠陥の手直しを提言した死刑廃止議員連盟の提案をなぜ受け入れないのか疑問だ。「裁判員裁判における死刑の全員一致制度」と「死刑と無期・懲役の間に終身刑を創設する」というものだ。この点については、明日以降、書く。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/492b8a47213091ff21f39dc9b3cdbc5c
「死刑廃止の信念変わらぬ」で「死刑執行」とは
「保坂展人のどこどこ日記」 2010年07月30日
どうも千葉景子法務大臣の様子がおかしい。当選が確実視されていた参議院選挙で落選し、長期にわたる「続投」に批判が高まる中で、これまで拒否してきた「死刑執行命令」ににわかに傾斜したのではないかという観測を、千葉大臣自身は否定している。ただ、15年にわたって歴代法務大臣と法務省刑事局のやりとりを見てきている私からすれば、いくつかの情報を総合して次のような推測をせざるをえない。人事異動を直前にした法務省幹部との間で「死刑廃止のための死刑執行」という「特異な論理」を構築し、肥大化させていったというシナリオだ。最新のニュースを見てみよう。
〔続きは http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/f5d9d3b470adf6ec4b5491150652a748〕
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法務大臣 千葉 景子 殿
「死刑を止めよう」宗教者ネットワークは、本日、わが国において死刑が執行され、2名の命が奪われたことに強く抗議します。
私たち「死刑を止めよう」宗教者ネットワークは、本日、篠沢一男さんと尾形英紀さん(東京拘置所)に死刑が執行されたことに強く抗議します。あなたは2009年9月の就任以来、死刑について国民的議論の場を設けることを念頭に置き、死刑に関する情報公開に取り組む旨、発言してこられました。弁護士でもあるあなたが、長年、死刑廃止に積極的に取り組んで来られたことは、よく承知しています。それだけに、私たちは今回の一年ぶりの死刑執行を、信じられない思いで受け止めています。私たちは重ねて、死刑執行の即時停止を強く要請いたします。
日本政府は一貫して、「国民のほとんどが死刑の執行を支持している」という「国民感情」を盾に、死刑存置を主張してきました。これに対して、2008年10月、国際人権(自由権規約)委員会は、「日本政府は世論調査の結果にかかわらず、死刑の廃止を前向きに検討し、必要に応じて、国民に対し死刑廃止が望ましいことを知らせるべきである」という所見を提出したことは、ご存じかと思います。法相自身がおっしゃっているように、死刑に関して国民に何も知らされないままでは、まともな議論は行われず、「国民感情」は変わりません。当初からのご発言通り、死刑に関する情報公開と国民的議論を実現し、死刑に対する政策を根本的に見直していただきたいと思います。
私たちは宗教者として、加害者の更生や被害者の救済について考えてきました。生まれつきの悪人などこの世にはおらず、人は人とのかかわりあいによって、善くも悪くもなり得ます。しかし、現代社会は、弱い者を切り捨て強い者だけが生き残る社会、自分を守るために暴力をふるうことが正義とされる社会です。このような社会のあり方は、現代人−特に若者たちの心に、深刻な影響を及ぼしています。このような社会のあり方を私たち自身が変えないかぎり、いくら厳罰化を推し進めても、犯罪の悲劇はなくならないでしょう。私たちは一人ひとりの命の尊厳を大切にし、人と人との関係を変えていくことで、犯罪抑止への道を歩みたいと思います。死刑の執行停止はその第一歩です。
私たちは宗教者の立場から、力ではなく悲しみと慈しみによって罪を克服し、どんな人の命も尊重される社会の実現を目指して、死刑執行の即時停止と死刑制度の廃止を訴えつづけます。
2010年7月28日
「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク
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日本の死刑執行についてのアシュトン上級代表の声明
EU News 220/2010
欧州連合 2010/7/28 ブリュッセル A 149/10
<日本語仮訳> キャサリン・アシュトン欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は本日、次の声明を発表した。
「尾形英紀、篠沢一男両死刑囚が絞首刑により7月28日に処刑されたこと、また、これにより、ここ1年間行われていなかった死刑執行が再開されたことを極めて遺憾に思う。EUは、いかなる場合およびいかなる状況における死刑の適用に反対しており、一貫して全廃を求めてきた。EUは、死刑が残酷かつ非人道的であり、人間の尊厳を守るにはその廃止が不可欠であると確信している。
この度の死刑執行には深く憂慮しているが、法務大臣が、日本において死刑に関する公的な議論を進める努力を行い、この問題を検討する勉強会の設置を決定したことを歓迎する。
日本とEUは、世界各地における広範な人権問題について緊密に協力し合うパートナーである。EUは日本政府当局に対し、死刑の法律上の全面廃止への第一歩として、死刑の執行停止(モラトリアム)の導入をたびたび求めてきた。これが実現すれば、日本は、死刑廃止に向けた世界的な流れに近づくだろう。世界の3分の2以上の国が死刑制度を正式に廃止しているか、国連総会の求めに応じ、その執行を停止している」
原文はこちらをご覧下さい(英語)。 http://www.consilium.europa.eu/uedocs/cms_data/docs/pressdata/EN/foraff/116068.
http://www.deljpn.ec.europa.eu/modules/media/news/2010/100728b.html
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アムネスティ発表国際ニュース
2010年7月28日
アムネスティ日本 info@amnesty.or.jp
http://www.amnesty.or.jp/
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日本:二人の死刑執行を非難する
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アムネスティ・インターナショナルは、日本人男性二人に対して死刑が執行されたことを非難する。今回の死刑執行は、昨年、日本で新政権が誕生してから初めての死刑執行である。
殺人罪で死刑判決を受けた尾形英紀さん(33)と篠澤一男さん(59)は、昨年の最後の執行からちょうど一年目にあたる水曜日に、東京拘置所において絞首刑を執行された。
「日本は、死刑廃止に向かう国際的な傾向に背を向け、この残虐かつ非人道的で品位を傷つける刑罰を行い続けている。」と、アムネスティ・アジア太平洋部のドナ・ゲスト副部長は述べた。
「一年間死刑が執行されなかったことを記念するはずだったその日に、逆に日本は国家の名の下に殺人を行う国に戻ることを明らかにしたのだ。」
今回の死刑執行は、千葉景子法相が2009年9月に民主党政権下で就任してからはじめての執行となる。
これまで死刑執行に反対する姿勢を表明していた千葉法相は、二人の死刑を執行した後、法務省内に死刑存廃に関する勉強会を設置すると表明した。
しかしながら、日本のNGOの中には、今後数日のうちに東京以外でさらに死刑が執行される可能性もあるという懸念がある。現在、日本には107人の死刑確定囚がいる。
「死刑制度に関する勉強会というのでは十分ではない。公開かつ公的な場で議論を行うことと、その議論を行うことと並行して、ただちに死刑執行を停止する措置が必要です。」と、ドナ・ゲストは述べた。
篠澤一男さんは、2000年に宝石店に放火し6人を殺害したことにより有罪となった。尾形英紀さんは、2003年に男性一人と女性一人を殺害したことにより死刑判決を受けた。
背景情報
日本は2009年に7人の死刑を執行した。しかし、2009年7月28日以降、死刑確定者の死刑執行はなかった。
日本では死刑執行は絞首により、通常秘密裏におこなわれる。死刑確定者は、執行されることを当日の朝に知らされ、その家族に対しては、執行後に知らされるのみである。
このことは、死刑確定者が常に執行の恐怖に怯えながら暮らしていることを意味する。何年も、何十年もこうした暮らしを続けるうちに、「うつ」状態となり、精神障がいの症状を示す死刑囚もいる。
死刑は生きる権利の侵害であり、アムネスティは、あらゆる死刑に対して例外なく反対する。アムネスティは日本政府に対し、死刑廃止への第一歩として、すべての死刑判決をただちに減刑し、正式に死刑の執行停止措置を導入するよう求めるものである。
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「法相は変節した」と批判 死刑廃止議連
共同通信 2010/07/28
民主党政権での初の死刑執行を受け、「死刑廃止を推進する議員連盟」(亀井静香会長)などが28日、東京・永田町の衆院第2議員会館で記者会見、議連のメンバーだった千葉景子法相への批判が相次いだ。
議連事務局長の村越祐民衆院議員(民主)は「かつて仲間だった千葉氏は大変な変節をされた。不意打ちのような執行は理解しかねるし、強い憤りを感じる」と激しく非難。また、千葉氏が指示した死刑存廃を含めて議論する勉強会については、「執行を停止してからにしてほしい。処刑しながら議論するというのは矛盾している」との声が上がった。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナル日本など死刑廃止を求める3団体も会見。「千葉氏は人権派の法律家だと思っていたが、廃止に向けて一歩も進まなかった」と指摘した。
http://www.47news.jp/news/2010/07/post_20100728192102.html
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2人の死刑を執行 千葉法相になって初、自ら立ち会う
朝日新聞 2010年7月28日
千葉景子法相は28日午前に記者会見を開き、死刑囚2人の死刑を同日に執行したと発表した。死刑の執行は昨年7月に3人に対して行われて以来、1年ぶり。確定した死刑囚はこれで107人となった。政権が交代し、千葉法相が昨年9月に就任してから初めての執行となる。かつての死刑廃止議員連盟のメンバーで、今月の参院選で落選した千葉法相が執行に踏み切ったことは、論議を呼びそうだ。
千葉法相は会見で、自ら執行に立ち会ったことを明かし、「死刑に関する根本からの議論が必要だと改めて思った」と語った。法相として執行に立ち会ったのは「おそらく初めて」という。そのうえで、法務省内に勉強会を設置し、死刑制度の存廃を含めたあり方を検討する▽国民的な議論の材料を提供するため、メディアによる東京拘置所内にある刑場の取材の機会を設ける――ことを明らかにした。
執行されたのは、2000年6月、宇都宮市の宝石店で女性従業員6人を焼死させ、1億4千万円相当の貴金属を奪ったとして、強盗殺人などの罪が確定した篠沢一男死刑囚(59)▽03年8月、埼玉県熊谷市で飲食店従業員などの男女4人を殺傷したとして、殺人などの罪が確定した尾形英紀死刑囚(33)――の2人。ともに東京拘置所で執行された。
篠沢死刑囚は02年に宇都宮地裁で、尾形死刑囚は07年にさいたま地裁でそれぞれ死刑判決を言い渡された。いずれも07年に死刑が確定し、執行までの期間は、篠沢死刑囚が約3年4カ月、尾形死刑囚が約3年だった。
近年では、鳩山邦夫元法相が約1年の在任期間中に約2カ月に1度、計13人の死刑を執行した。千葉法相の前任の森英介前法相も3回にわたって9人に執行した。
死刑執行まで1年以上の空白期間ができたケースも過去にはある。就任会見で「サインしない」と発言し、直後に撤回した杉浦正健元法相の在任期間(約11カ月)を含む06年12月までの約1年3カ月、執行されなかった。
http://www.asahi.com/national/update/0728/TKY201007280199.html
「森のおひさま教室 死刑についてみんなで考えてみよう
本当に日本に死刑は必要なの? 弁護士の意見」
http://www.morino-ohisama.jp/blog/2009/12/post-13.html
死刑が日本の文化だなんて大嘘
2009年12月16日
12月5日から12月14日にかけて開催された国連刑廃止条約20周年東アジア死刑廃止大会のうち、12月13日に開催された全体会シンポジウム『「死刑はアジアの文化だ」って本当ですか?』に出席しましたので、ご参考までに印象に残った発言をご紹介します。
死刑の廃止は文化の問題ではなく、政治の問題であり、政治家のリーダーシップの問題であることが強調されていました。
○台湾の林欣怡氏(死刑廃止推進連盟執行長。念のため女性です)
以下は、私の聞き取りメモなので誤りがあるかもしれません。かっこの中は私の補足です。
2000年政権交代(国民党から民進党へ)し陳水扁総統は死刑廃止を約束し、チャン法務部長(法務大臣)は3年で死刑廃止を約束したが、約束を果たせなかった。NGOは政府はあてにならないと考え死刑廃止推進連盟を結成した。活動は二方向であり、一つは国際的な場に出ていき外国から人を招くこと、二つは草の根の運動をした。(2008年民進党から国民党へ政権交代し馬英九総統となったが、死刑廃止は政権の重要課題となっている
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=20003)
2005年12月から死刑執行停止?
2006年10月 モラトリアム宣言?
43人の死刑確定者がおり、台湾の世論は圧倒的に死刑支持だが、馬政権の法務部長は、死刑を検討する会議を開いており、NGO も参加している。
★政権交代が死刑執行停止の一つのきっかけとなっていること、世論は死刑存置だけれど政治家がリーダーシップをとってNGOと協議しながら死刑執行停止を進めていることなど、日本にも参考になる点が多々あると思います。
○朴秉植(韓国、東国大学法学部教授)
死刑は文化ではない。文化とは育むべき良いものを指すのであって、人を殺すことは文化ではない。せいぜい文化財であって文化ではない。アジアとヨーロッパに違いはあっても、死刑がアジアのアイデンティテイではない。日本で死刑があるから死刑はアジアの文化と言うなら、韓国は死刑廃止(事実上)であって、日本との無理心中に巻き込まれたくない。日本はよくばりな国。世界最高の治安の良さがありながらまだ足りない。殺人は日本は韓国の半分しかない。また日本はせっかちな国。どんどん殺せ。がまんして待っていても良いだろうに。凶悪犯罪が起こるから死刑と言うが、絶滅などと言うべきでない。絶滅しないと死刑廃止と言わないのか。廃止論者も原理主義にならないで終身刑を考えたら良い。
★朴教授のお話は平易ななかに説得力があり、「文化」という言葉が、「死刑はアジアのそして日本の文化だから死刑があることはやむを得ない」と思考停止させるためのマジックワードになっている気がしました。
○デイビッド・ジョンソン(米国、ハワイ大教授)
・死刑はいずれ無くなる。アジアでも日本は現在例外的に死刑を増やしているが、いずれは無くなる。人権は世界のほとんどの国で正当性を認められているし、政治的な変化が起こると死刑は急速に無くなる。文化の変容が死刑の廃止につながった例はない(死刑を存置していた国の文化が変容して死刑の廃止になった例はない)。死刑の廃止は政治家が最前線でリーダーシップをとることによって起こっている。中国では死刑の執行数が多いが世論の支持は他の国より低く、世論では死刑の説明にならない。シンガポールでは年によって死刑の執行数に非常にばらつきがあり、数年前には74人、去年は1人だけ。文化という言葉では説明がつかない。
・アメリカでも日本でも被害者を刑事司法の中心的役割とする制度がうまれた。死刑制度はこれまで国家がどう権力を行使すべきかという論点で考えられてきたが、死刑を被害者へのサービスというプログラムとしてとらえ、国家が背景へ押しやられている。新しい枠組み、死刑を肯定的にとらえ、被害者を支持する仕組みとしてとらえている。被害者を侮辱する意思はまったくないが、このような見方に対しては死刑廃止の観点から反論する必要がある。
★ジョンソン教授のお話もとても説得力がありました。たしかに文化という言葉では、死刑の存置も廃止も説明がつかないと思います。また死刑を被害者を支持する仕組みととらえる見方について、死刑止という観点から、どう反論するのか今後の課題だと思います。修復的司法でしょうか。
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世界死刑廃止デー企画 「シンポジウム」&「新宿デモ」
2009年10月10日(土)
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10月10日は死刑廃止世界連盟(WCADP)が定めた死刑廃止デーです。今年は、FORUM90主催の死刑廃止のシンポジウム、そしてアムネスティ・インターナショナル日本主催の、死刑に反対する街頭デモンストレーションを行います。
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1. 響かせあおう 死刑廃止の声2009 裁判官の証言 誤判は避けられない!
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今年も死刑制度に疑問を持つ人々が共に集い、死刑に直面している人々に思いをよせるひと時を企画しました。ぜひ、ご参加ください。
■日時: 10月10日(土) 午後12時30分開場・13時開演
■場所: 東京・新宿区 四谷区民ホール
※地下鉄丸ノ内線「新宿御苑前駅」より徒歩5分
■入場料: 1000円(予約不要 / 25歳以下無料)
■Program(予定)
1 報告:「政権交代」と死刑廃止への道
2 死刑囚の表現をめぐって/大道寺幸子基金の発表とシンポジウム
池田浩士・加賀乙彦・川村湊・北川フラム・坂上香・太田昌国
3 裁判官の証言:誤判は避けられない!
・足利事件と飯塚事件の報告:菅家利和さん/佐藤博史弁護士ら
からの発言
・元裁判官へのアンケート結果をめぐって/元裁判官の木谷明・
井垣康弘・生田暉雄さんらと共に考える
■主催・問合せ
死刑廃止国際条約の批准を求めるFORUM90
TEL.03-3585-2331 FAX.03-3585-2330
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2.新宿で、世界の死刑に反対するデモをしよう!
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■出発場所: 四谷区民ホール 前
■出発時間: 10月10日(土)午後6時00分
■参加費: 無料(予約不要)
国連が死刑廃止条約を採択してから今年で20年です。日本はいまだにこの条約に加入していません。韓国は10年間にわたって死刑執行がなく、事実上の死刑廃止国の仲間入りをしました。台湾も死刑執行の停止を続けています。世界の流れ、東アジアの流れは、確実に死刑廃止へと向かっています。
しかし一方で、18歳未満の少年・少女に対しても死刑執行をしている国があります。
また、日本をはじめ世界各国で、不公正な裁判や誤った証拠によって死刑執行の危機にさらされている死刑囚がいます。精神障がいの治療を受けることを許されず、自分が処刑されることもわからないまま、死刑を執行された死刑囚がいます。
アムネスティ・インターナショナルは、すべての死刑に反対します。
少年や少女に対する死刑執行は、即時にやめさせましょう。
すべての死刑執行をやめさせましょう。
そして、日本での死刑執行を即時にやめさせましょう。
新宿はさまざまな人種の方が集まる世界の縮図のような街です。
この街で世界の死刑に反対するデモに参加しましょう。
区民ホールでのイベント終了後、四谷区民ホール前から新宿駅方面へ、約60分間、
プラカードやペンライトを手に歩きます。
※デモに関する最新の情報はこちらのページをご覧ください。
http://www.amnesty.or.jp/modules/piCal/index.php?action=View&event_id=0000002571
■主催・問合せ:
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
死刑廃止ネットワークセンター東京
TEL:03−3518−6777 E-mail:adp-team@amnesty.or.jp
「死刑に異議あり!」キャンペーン 手紙書きアクション
千葉景子 新法務大臣に、死刑の執行停止を要請しましょう!!
2009年9月16日、鳩山内閣が発足しました。新しく法務大臣に就任した千葉景子参議院議員は、その就任記者会見において、死刑制度について、「人の命ということなので、慎重に取り扱っていきたい」とし、「広い国民的な議論を踏まえて、道を見いだしていきたい」と表明しました。
「死刑に異議あり!」キャンペーンでは、千葉法相のこうした姿勢に賛同し、死刑の執行停止と、死刑廃止に向けた議論を開始するよう同法相に要請する手紙書きアクションを呼びかけます。
このアクションへの参加を広く死刑廃止に関心のある個人や団体にも広めていただければと思います。
■手紙の宛先
〒100-8962
千代田区永田町2-1-1
参議院議員会館412
法務大臣 千葉景子 殿
■コピーの宛先
〒100-8977
千代田区霞ヶ関1−1−1 法務省
法務大臣 千葉景子 殿
〒100-8977
千代田区霞ヶ関1−1−1 法務省
刑事局長 西川克行 殿
■□■ 手紙の例文 ■□■
死刑の執行停止を要請いたします
法務大臣 千葉景子 殿
法務大臣就任おめでとうございます。日頃からの人権問題への真摯な取り組みに深い敬意を表します。また、先日の法相就任記者会見にて、死刑制度について、「人の命ということになりますので、慎重に取り扱っていきたい」「広い国民的な議論を踏まえて、これから私たちが行く道を見いだしていきたい」と述べられましたことに、心から賛同の意を表明いたします。
死刑制度は生きる権利を奪う、取り返しのつかない、残虐で非人道的な刑罰です。現在世界の70%以上の国・地域が死刑執行を行っておらず、国連総会は、2007年、2008年と2年連続で、死刑執行の一時停止を求める決議を採択し、国連のすべての加盟国に死刑執行の停止を強く求めております。
また、日本の刑事司法は、代用監獄や捜査取調べ中の自白強要など、国際人権基準に合致しない、人権侵害と冤罪の温床となっております。現在、「足利事件」の再審開始が決まり、昨年10月に死刑執行された「飯塚事件」の久間三千年さんの死後再審の動きも進められております。
これまで頑なに貫かれてきた死刑執行を再考し、死刑執行を停止するよう要請いたします。そして、死刑の廃止を視野に入れた、死刑制度に関する幅広い議論を国会内外で開始することに、力を注いで下さるよう要請いたします。
氏名:
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■「死刑に異議あり!」キャンペーンとは
2008年7月、相次ぐ死刑執行に対し、死刑に反対するという抗議の声をあげるため、このキャンペーンは開始されました。以下の共同事務局を担う二団体を中心に、さまざまな団体、個人、ネットワークが加わっています。キャンペーンでは、「死刑執行の即時停止」を求めつつ、さまざまな立場の違いを超え、社会の中のさまざまな活動を互いにつなげながら、日本社会に対し「なぜ死刑がいけないのか」について考える多様な機会を提供しようとしています。
http://www.abolish-dp.jca.apc.org/
■共同事務局:
アムネスティ・インターナショナル日本
監獄人権センター
■問い合わせ先:
E-mail: abolition21@amnesty.or.jp
FAX: 03-3518-6778
死刑廃止派・千葉法相「慎重に」…霞が関激震
読売新聞 2009年9月17日
千葉景子法相(61)は記者会見で、死刑の執行命令書にサインするかどうかを問われ、「人の命ということなので、慎重に取り扱っていきたい。法務大臣という職責を踏まえながら慎重に考えていきたい」と、「慎重」という言葉を重ねて使った。
法相は、自らが「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバーであることも明らかに。死刑制度の今後のあり方にも言及し、「これだけ死刑の存置・廃止について議論があり、終身刑の導入についての議論もある。裁判員制度の導入で多くの皆さんが深い関心を抱いていると思うので、ぜひ広い国民的な議論を踏まえて、道を見いだしていきたい」と述べた。
死刑に関する法相の発言について、法務省のある幹部は「個人的に死刑廃止の考えを持っていても、大臣の立場では(死刑執行命令書へのサインを拒むのは)難しいのでは」との見方を示した。地下鉄サリン事件で夫を亡くした高橋シズエさん(62)は「オウム事件でも死刑囚が何人もいる。長い裁判の過程や判決を尊重し、しっかり死刑を執行して欲しい」と話した。
一方、千葉法相は検察の捜査に対する指揮権発動について、「恣意(しい)的なものは排除するが、国民の視点に立って検察の暴走をチェックする」と踏み込んだ発言をした。
西松建設の違法献金事件を受けて民主党が設置した「政治資金問題を巡る政治・検察・報道のあり方に関する第三者委員会」は今年6月、「今回のように重大な政治的影響のある事案では、法務大臣は高度の政治的配慮から指揮権を発動する選択肢もありえた」とする報告書を公表していた。
検事出身の法務省幹部は、「新大臣は一般的なことを言っているだけ。これまでもそういう運用をされないように努力してきた」と冷静に受け止めていた。
また、容疑者の取り調べの録音・録画(可視化)については、「(取り調べの録画を盛り込んだ)マニフェストの実現をきちんと進める」と述べ、捜査当局が反発している可視化の範囲拡大に意欲を見せた。
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