海外から、これほどの熱意を持って取り組んでいただいていることに、敬意を表します。
法務大臣、総理大臣、拘置所長、検事総長宛ての要請文を下記にご紹介したいと思います。(グループの許可を得ています)
拝啓 来たる10月10日は世界死刑廃止デーです。すでに97カ国があらゆる犯罪に対して死刑を廃止しており、2012年末には法律上あるいは事実上の死刑廃止国は140カ国となっています。また、2012年にこの残虐な刑罰を実施したのは世界で21カ国のみで、G8参加国の中では日本とアメリカだけです。
国連人権理事会宛ての2012年7月の報告書の中で、潘 基文(パン・ギムン)国連事務総長は次のように述べています。「大多数を占めていた死刑存置国は、ここ数十年で少数派となった。しかも、死刑廃止国あるいは死刑廃止準備国の背景には、それぞれ異なる法制度、伝統、文化、宗教的信仰がある」
本状をお送りする機会を利用して、袴田巌氏の件についても書かせていただきます。袴田巌氏は貴国で45年前に死刑宣告を受け、死刑囚として世界で最長期間収監されたままの人物となっています。こうした状況のため、袴田巌氏は精神疾患を抱えています。
犯罪容疑者を裁判に付す各国政府の権利及び義務は、私も理解しております。しかしながら、死刑とは、国家による取り返しのつかない暴力行為を正当化するものであることも、お知りおきいただきたく存じます。
以上の事柄すべてを踏まえ、袴田巌氏に対する死刑を減刑して、私の嘆願にお応えいただきますよう、ここに要請いたします。また、貴国で一時停止が宣言されるよう、可能な措置をすべて講じていただきますよう、ここに要請いたします。
以上の事柄すべてを踏まえ、袴田巌氏に科されている死刑の即時減刑と、貴国における一時停止の宣言に向け、可能な措置をすべて講じていただきますよう、ここに要請いたします。
この要請に直ちにご対応いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
敬具
アムネスティ・インターナショナル
ドノスティア/サン・セバスティアン・グループ
