袴田巖さんとお姉さんの秀子さんが、1月9日、突然
一審静岡地裁裁判官だった熊本典道さんを福岡の病院に
訪ねました。
同行した浜松の支援者がブログにお書きになっています。
熊本さんを懸命に支える島内さんや、熊本さん達を福岡で
見守って下さっているクリスチャンのご夫婦も同席しました。
熊本元裁判官は、一審静岡地裁で袴田事件を担当、
無罪の心証を持ちましたが、裁判官の合議で他の裁判官を
説得することが出来ず、2対1で負けたため、主任裁判官
だった熊本さんが死刑判決を書かざるを得ませんでした。
「付言」をつけ加え、高裁で判決が覆ることを期待した
もののかなわず、ずっと良心の呵責に苦しんできました。
2007年に、守秘義務を破って告白、日本のみならず
世界中の注目を集めました。この告白により、世論の
流れは大きく変ったと言えます。
その後、熊本さんと袴田さんをモデルに映画「BOX
袴田事件 命とは」が制作され、全国で公開されました。
袴田巌さんを救う会では、最高裁や静岡地裁に熊本さんの
陳述書を提出、無罪心証を持った裁判官がいたにも
かかわらず、袴田さんが死刑判決を受けたことの理不尽さを
訴えました。
死刑判決を書いた翌年裁判官を辞めた熊本さんは生活も
荒れ、その後、何度も自殺をはかるなど心身を蝕まれて
いきましたが、2006年に島内さんに救われ、2007年の
告白につながりました。
がんや脳梗塞を患い、病院で寝たきりの熊本さんにとって、
巖さんに謝りたいという願いはかなわないかと思われました。
今回袴田巌さんと秀子さんが会いに行かれたことは、本当に
よかったと思います。何より、秀子さんの決断に感謝です。
新年会でいろいろとお話が伺えることを期待しています。
〈参考〉
半生をかけた回心と告白:袴田事件の元判事
裁判官の良心 (2007年当時)
posted by 袴田巌さんを救う会 at 03:30| 東京 ☀|
袴田巖さん
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